糖尿病における適切な1日のカロリー摂取量とは
食事制限が必要になる糖尿病
糖尿病になってしまった場合食事制限が必要と言われていますが、どういった食生活が必要になるのでしょうか?
糖尿病とは膵臓からインスリンの分泌が減ってしまったりインスリン抵抗性が高まりインスリンの効きが悪くなってしまうために血液中のブドウ糖を上手に取り込めない状態で、それゆえに血糖値が高くなってしまう病気です。
そのため少ないインスリンでも血糖値を抑える事に加え、インスリン抵抗性の原因となる肥満を改善するために食事制限が必要になるのです。
そんな糖尿病における食事制限はどういったものなのか?
糖尿病患者に許される1日のカロリー摂取量は?
一般的に働き盛りの方が1日に摂取するカロリーは女性で1800~2200kcal、男性で2000~2500kcalくらいとなっています。
必要な摂取カロリーは仕事内容や生活習慣でも変動し肉体労働とデスクワークでは必要なカロリー量も大きく違ってきますし、身長や筋肉量によっても異なってくるものの、平均すれば1800~2200kaclくらいとなっており、このくらいのカロリー摂取量であれば多くの場合痩せる事も太る事もなく健康的な体型を維持できます。
一方で糖尿病を患っている方の1日のカロリー摂取量は男性で1400~2000kcal、女性で1200~1800kcalと、一般的な平均に比べ少ない量となります。
これには下記のような計算式があり、BMI(肥満指数)から求められる標準体重に生活活動強度をかけたものになります。
■標準体重=((身長(m)×身長(m))×22.0
生活活動強度 | 職種や生活環境 | 活動量 |
---|---|---|
軽い | デスクワーク・専業主婦等の活動が少ない方 | 25~30kcal/kg |
普通 | サービス業・工場勤務等の立ち仕事 | 30~35kcal/kg |
重い | 建設作業員・農業等の肉体労働 | 35~40kcal/kg |
仮に身長170cmの方で事務職の場合で計算してみると…
- ■(1.70m×1.70m)×22.0=標準体重63.5kg
- ■63.5kg×25kcal=1日の摂取カロリー1587kcal
…となります。
健康な方の摂取カロリーを計算する場合、基礎代謝に生活活動強度1.5や1.7をかける計算法もありますが、糖尿病の方の場合この計算法による算出カロリーでは明らかに高すぎるため上記の計算式を用います。
「1日1600kcalって少なすぎない!?」
…と感じる方も多いと思いますが、糖尿病を悪化させないための血糖コントロールを考えた場合、どうしてもこのくらいのカロリーになってしまいます。
■健康な方に比べカロリーは少ないが、守らないと糖尿病悪化は避けられない
辛い食事制限を避けるために
糖尿病のほとんどは生活習慣が大きな原因である2型糖尿病が占めています。
過剰な食事や運動不足、それに伴う肥満などによって糖尿病になってしまったツケは食事制限など厳密な生活管理という形で払う事になり、それを行わなければ遠くない将来様々な合併症によってさらに苦しめられる事になってしまいます。
そうならないために、またそれを少しでも緩和するためには予防や糖尿病初期での早期発見が何より重要になります。
糖尿病は初期の段階で発見・治療を行えば、完治は難しいもののある程度の回復は見込め血糖コントロールも容易になり生活の自由度が増しますので、雇用されている人のように定期的な健康診断の無い自営業や専業主婦の方も自治体の健診を毎年受けるようにして下さい。
余談ですが、上記のカロリー制限については糖尿病治療の基本中の基本ではあるものの、この考え方の中では総摂取カロリーの50~60%を糖質である炭水化物が占めているため賛否があります。
過剰なカロリー制限を行わず糖質制限をしっかり行う事で血糖値の上昇を抑えようという考え方も広まりつつあり、これについてはまた別のページで詳しく取り上げていますので、気になる方は参考にしてみて下さい。
血糖値を下げダイエット効果もあるSGLT2阻害薬
これといった自覚症状がないままじわじわと血管を蝕み続ける糖尿病。それだけに健康診断などで血糖値やHbA1cの高さを指摘されても放置している人は驚くほど多く存在するのが実情。
糖尿病治療は本来であれば食事療法と運動療法を軸に、補助としてインスリン注射や経口薬を用い血糖値を正常値もしくはそれに近い数値での安定を目指します。
そうすることで体重の減少・維持と血糖値・HbA1cの効果が望めるから。しかし現実問題として食事制限や運動療法は決して楽なものではなく、またそれを一生続けなければならないという終わりなき苦行でもあります。
そういった背景に加え、受診するのが面倒くさい、行くたびに医師に「痩せなさい」と言われる…などの理由から病院から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか。
しかし、当サイトで口を酸っぱくして述べているように、糖尿病は様々な合併症を引き起こす極めて恐ろしい病気です。血糖値が高い状況はもちろん、糖尿病リスクを高める肥満も放置するべきではありません。
もしどうしても病院に行きたくない場合は、個人輸入代行業者を通じ、日本でも処方されているSGLT2阻害薬「フォシーガ」を購入するという方法も。
SGLT2阻害薬は血液中の糖を積極的に尿と一緒に排出するという画期的な糖尿病治療薬。
従来の経口薬のように細胞内に糖を取り込むインスリンに頼ることなく血糖値を下げられるため、1日250~400kcal相当のダイエット効果があることが複数の臨床試験で実証されています。
それだけに健康な人がダイエット目的で使用する事例が後を絶たないほど。
本来であれば医療機関を受診し、適切な治療と指導を受けたうえで治療薬を処方してもらうべきところ。しかしそれができないようであれば、最低でもフォシーガなどで血糖値や体重の低減を図ってほしいと感じています。
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