1型糖尿病と2型糖尿病の違いとは
糖尿病患者の95%は2型糖尿病
「糖尿病」と一口に言ってもいくつか種類があり、その中で大きく分けると「1型糖尿病」と「2型糖尿病」に分別されます。
糖尿病の一般的なイメージは「太っている人がなる」「生活習慣病」といったものだと思いますが、それらは世間のイメージでの糖尿病は「2型糖尿病」の事であり、実際に生活習慣がもたらす2型糖尿病は全体の95%以上を占めます。
そしておよそ3%程度が1型糖尿病となるのですが、この1型糖尿病、生活習慣病である2型糖尿病とは異なる点が非常に多くなります。
そんな1型と2型の糖尿病。具体的にどういった違いがあるのでしょうか?
糖尿病の大半を占める2型糖尿病とは
2型糖尿病は世間一般で言われる典型的な糖尿病で、原因の多くは以下のような生活習慣にあります。
- ■肥満
- ■食事(偏食や過食等)
- ■運動不足
- ■喫煙
- ■飲酒
- ■過度なストレス
- ■不規則な生活
- ■遺伝
仕事の都合や家庭状況などはあれど2型糖尿病の原因となるものの多くは自分の意思でどうにかなるものも多く、それらの事から生活習慣病に属する典型的な病気となっています。
発症の多くは長年の生活習慣の乱れが体に影響を与えだす30歳以降で、若くして2型糖尿病になる方は肥満である場合が多い事から、いかに食事と運動が大事か分かります。
血糖値が高くなる原因は膵臓の働きが弱まる事によるインスリン分泌量の低下、もしくはインスリン受容体の異常や感受性の低下などにより抵抗性が生まれインスリンの効きが弱くなってしまうためです。
かなり進行しないと自覚症状が表れづらく、健康診断などを行わずにいると自覚症状のないまま徐々に病状が進行している場合も。
親などの親族が糖尿病である場合一定の遺伝が認められるものの、それは糖尿病の様々な要因の1つであり発病の原因は生活習慣が大きな比重を占めているので、出来る限り早期に生活習慣や食生活を見直すことが治療・予防の第一歩となります。
■2型糖尿病は多くの場合生活習慣や食生活の乱れによって引き起こされる
糖尿病の中でも稀な1型糖尿病とは
糖尿病のほとんどを占める2型糖尿病の大きな原因が生活習慣や食生活にあるのに対し、1型糖尿病は生活習慣とは全く関係ないのが特徴です。
また2型糖尿病と違って遺伝的な要素がほとんど考えられず、自覚症状が無く数年かけてジワジワと進行していく2型糖尿病と違い1型糖尿病は目に見えた異常が表れるまでの期間が短く、多くの場合1週間~半年くらいで劇的に悪化します。
原因は自己免疫異常によって膵臓でインスリンを分泌するβ細胞が壊される事。現在は「エンテロウイルス」が深く関与しているという説が有力で、このウイルスに感染した事によって免疫が過剰に反応しβ細胞まで破壊してしまうと見られています。
2型糖尿病の場合症状に応じて「生活習慣の改善」「薬物療法」「インスリン治療」と様々な対策が取られますが、短期間で膵臓のインスリン分泌機能が破壊されてしまう1型糖尿病ではほぼ100%インスリン注射による対応になります。
突発的に起こる病気のため年齢に関係なく発症し、小学生以下が発症するような小児糖尿病の多くは1型糖尿病になります。
治療自体はインスリン注射と合わせて食事・運動療法が取り入れられ、血糖値をコントロールする事によって合併症などを防ぐという点は2型糖尿病と変わりありません。
■1型糖尿病は肥満や生活習慣に関係なく突発的に起こるため若年の発症も多い
1型糖尿病と2型糖尿病の違いの総括
最後に、1型糖尿病と2型糖尿病の違いをまとめると以下のようになります。
1型糖尿病 | 2型糖尿病 | |
---|---|---|
患者の割合 | 3%前後 | 95%以上 |
発症年齢 | 15歳未満の若年に多いものの、成人が発症する場合も | 30代以降の中高年に多い |
原因 | ウイルスなどによる自己免疫異常でインスリンを分泌するβ細胞を破壊 | 生活習慣や食生活の乱れによる肥満、ストレス、喫煙、遺伝など |
進行度合い | 1週間~半年と短期間で急激に悪化する | 自覚症状がないまま数年単位で徐々に悪化 |
治療法 | インスリン注射をベースに食事・運動療法で血糖値をコントロール | 基本的には食事・運動療法を行い、症状によっては薬物療法やインスリン注射も行う |
糖尿病というと「生活習慣などがだらしない人」「自己管理が出来ない人」と見られがちで、実際2型糖尿病はそういった部分も否定はできませんが、1型糖尿病に関しては突発的で不幸な病気なので、糖尿病だからといって必ずしもだらしないわけではない事を理解し過度な偏見を持たないようにして下さい。
また、1型糖尿病はエンテロウイルスが原因とする説が有力ですが、これが他人に感染して1型糖尿病がうつるという事は絶対にありませんので、こちらに関しても偏見は持たないようお願いします。
1型糖尿病は膵臓でインスリンを作り出す事はほぼ不可能な状況になってしまうため一生インスリンを打ち続けなければならないものの、食事や運動を含めしっかりと血糖コントロールができていれば健常者と変わらない生活ができます。
1型にしろ2型にしろ重要なのは早期からしっかりとした血糖値の管理が出来るかどうかで、これを行えれば寿命は健常者と大差ありませんし、これが行えなければ10年20年短くなる事を覚悟する必要があります。
糖尿病は現状完治は難しい病気ですが、血糖値をちゃんとコントロールすればそれほど恐れる病気ではない事を心に刻み治療に専念して下さい。
血糖値を下げダイエット効果もあるSGLT2阻害薬
これといった自覚症状がないままじわじわと血管を蝕み続ける糖尿病。それだけに健康診断などで血糖値やHbA1cの高さを指摘されても放置している人は驚くほど多く存在するのが実情。
糖尿病治療は本来であれば食事療法と運動療法を軸に、補助としてインスリン注射や経口薬を用い血糖値を正常値もしくはそれに近い数値での安定を目指します。
そうすることで体重の減少・維持と血糖値・HbA1cの効果が望めるから。しかし現実問題として食事制限や運動療法は決して楽なものではなく、またそれを一生続けなければならないという終わりなき苦行でもあります。
そういった背景に加え、受診するのが面倒くさい、行くたびに医師に「痩せなさい」と言われる…などの理由から病院から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか。
しかし、当サイトで口を酸っぱくして述べているように、糖尿病は様々な合併症を引き起こす極めて恐ろしい病気です。血糖値が高い状況はもちろん、糖尿病リスクを高める肥満も放置するべきではありません。
もしどうしても病院に行きたくない場合は、個人輸入代行業者を通じ、日本でも処方されているSGLT2阻害薬「フォシーガ」を購入するという方法も。
SGLT2阻害薬は血液中の糖を積極的に尿と一緒に排出するという画期的な糖尿病治療薬。
従来の経口薬のように細胞内に糖を取り込むインスリンに頼ることなく血糖値を下げられるため、1日250~400kcal相当のダイエット効果があることが複数の臨床試験で実証されています。
それだけに健康な人がダイエット目的で使用する事例が後を絶たないほど。
本来であれば医療機関を受診し、適切な治療と指導を受けたうえで治療薬を処方してもらうべきところ。しかしそれができないようであれば、最低でもフォシーガなどで血糖値や体重の低減を図ってほしいと感じています。
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