桑の葉 DNJの糖の分解吸収阻害効果は本物?
科学的に立証された桑の葉の効果
血糖値を下げる効果があるとして桑の葉は昔から健康食品として用いられておりましたが、「なぜ桑の葉で血糖値が下がるのか?」については謎となっていました。
しかし近年の研究で桑の葉の血糖値を下げる効果は「デオキシノジリマイシン(DNJ)」だということが明らかになりました。
それからというものこれまでにも増して健康食品…とくに糖尿病の改善に役立つものに桑の葉が使われることが多くなっています。
サラシアや栗の渋皮など血糖値を下げる効果のある食品が様々ありますが、桑の葉のDNJはどういった働きをし、またどの程度の効果を期待できるのでしょうか?
桑の葉のデオキシノジリマイシン(DNJ)とは
桑の葉が血糖値を下げるのはデオキシノジリマイシン(DNJ)という成分によるもので、これは桑特有のもので他の食品には見られません。
そのDNJの働きは小腸で糖をブドウ糖にまで分解し吸収を促す酵素「α-グルコシダーゼ」と結びつき働きを阻害するというもの。
小腸はα-グルコシダーゼによって糖類がブドウ糖にまで分解されてはじめて吸収できるのですが、DNJはα-グルコシダーゼと結びつくことによって糖の分解を妨げるため血糖値の上昇を抑えるのです。
この働きをα-グルコシダーゼ阻害活性と呼び、サラシアやグァバ、栗の渋皮などにもある効果。しかし桑の葉には糖の吸収を抑制し血糖値を下げる効果の他にインスリンの分泌を抑制する効果もあるのが特徴。
上図は国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構で行われた調査の結果で、この中で桑葉エキスを摂取した量が多いほど血糖値の上昇が抑制され、またインスリンの分泌量も減少しているのが見て取れます。
つまり桑の葉に含まれるDNJは糖の吸収とインスリン分泌を抑える効果があり、桑の葉が血糖値の上昇を抑えることにってインスリンの分泌も少なくて済み、膵臓の負担を減らす効果も期待できることになります。
ただ、桑の葉にはインスリンの分泌を促す効果があるという意見もあり今回の結果から矛盾していることになりますから、もう少し議論・検証の余地があると思われます。
■DNJの血糖値抑制効果によりインスリン分泌は抑えられ膵臓の負担を減らす
桑の葉を摂取するタイミング
桑の葉やサラシアといったα-グルコシダーゼ阻害活性のある食品はいつ服用しても害はないものの、最良の結果を得るタイミングというのは食前10~30分の摂取になります。
これは桑の葉に含まれるDNJが先回りして小腸に存在することが重要だからで、それを行うことによってDNJが糖の吸収を阻害しインスリンの分泌を抑制、結果として膵臓を休ませ機能回復の期待も持てることになります。
せっかくの桑の葉効果を無駄にしないためにも食事の前に飲むようにしましょう。
桑の葉を用いる際の注意点
いくら桑の葉にα-グルコシダーゼを阻害し糖の吸収を抑える効果効果があるとしても、それは糖尿病治療に用いられる薬物療法やインスリン注射に比べれば影響はマイルドです。
ただ、それでも桑の葉に血糖値を下げる一定の効果が望めることに間違いはなく、そうなった時に懸念されるのが薬物療法やインスリン注射の治療を行っている人の“低血糖”です。
薬やインスリンの量は最適な結果を得られるように患者一人ひとりの症状に合わせており、ここに桑の葉の血糖値を下げる効果が加わると予期せぬ低血糖が起きないとも言い切れません。
少量であれば問題ないとは思いますが、万全を期するためにも薬物療法やインスリン注射を行っている人は医師に確認しておいたほうがいいでしょう。
■薬との併用の場合は万が一のことを考え医師に相談するようにしましょう
桑の葉を上手に取り入れ血糖コントロールを
桑の葉は健康食品としては高い血糖値抑制効果がある一方、サプリメントやお茶などで気軽に摂取できるため非常に人気の食品となっています。
糖尿病における食事療法は厳しいカロリー制限や血糖値コントロールが求められ、ストレスも溜まりがちになりますが、桑の葉の効果はそのストレスを軽減させてくれる効果が期待できます。
食事の前の桑の葉の摂取はもちろん、どうしても我慢できない間食の前に桑葉を摂っておくことで血糖コントロールを容易にしてくれるはずです。
完治が難しい糖尿病なだけに上手に付き合っていく必要があり、治療の無理やストレスをためないためにも血糖コントロールを助けてくれる桑の葉を取り入れてみて下さい。
桑の葉を用いたおすすめの健康食品
■太田胃散 おいしい桑の葉青汁
あの太田胃散が作った桑の葉をメインとした青汁で、血糖値を抑制する効果はもちろんカルシウムや鉄分、食物繊維など様々な栄養素を豊富に含んでいるため総合的な健康維持に大いに役に立ちます。
定期コースなら1ヶ月分60袋入りが税込4,536円、1杯約75円とリーズナブルで、かつ知名度の高い老舗製薬メーカー製という安心感や信頼性の高さも相まって人気の商品になっています。
■アグリのしあわせ減糖茶
桑の葉はもちろん、サラシアやゴーヤ、アイスプラント(ピニトール)といった血糖値を下げる効果のある素材を10種ブレンドしたお茶。
1袋20包入りが定期コースで1,602円とリーズナブルで、2袋の定期コースの場合はたっぷり飲める上に送料も無料になり、またいつでも休止・中断ができるとあって多くの方が利用しています。
■イヌリンプラス
血糖値を下げる効果のあるイヌリンや菊芋、桑葉、サラシアなどに加えナットウキナーゼの血栓を溶かす作用や乳酸菌の腸内環境改善効果などが見込めるサプリメント。
初回限定で2,980円、2回目以降は4,276円と決して安いとはいえないものの、成分や効果の高さを考えれば納得か。
血糖値を下げダイエット効果もあるSGLT2阻害薬
これといった自覚症状がないままじわじわと血管を蝕み続ける糖尿病。それだけに健康診断などで血糖値やHbA1cの高さを指摘されても放置している人は驚くほど多く存在するのが実情。
糖尿病治療は本来であれば食事療法と運動療法を軸に、補助としてインスリン注射や経口薬を用い血糖値を正常値もしくはそれに近い数値での安定を目指します。
そうすることで体重の減少・維持と血糖値・HbA1cの効果が望めるから。しかし現実問題として食事制限や運動療法は決して楽なものではなく、またそれを一生続けなければならないという終わりなき苦行でもあります。
そういった背景に加え、受診するのが面倒くさい、行くたびに医師に「痩せなさい」と言われる…などの理由から病院から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか。
しかし、当サイトで口を酸っぱくして述べているように、糖尿病は様々な合併症を引き起こす極めて恐ろしい病気です。血糖値が高い状況はもちろん、糖尿病リスクを高める肥満も放置するべきではありません。
もしどうしても病院に行きたくない場合は、個人輸入代行業者を通じ、日本でも処方されているSGLT2阻害薬「フォシーガ」を購入するという方法も。
SGLT2阻害薬は血液中の糖を積極的に尿と一緒に排出するという画期的な糖尿病治療薬。
従来の経口薬のように細胞内に糖を取り込むインスリンに頼ることなく血糖値を下げられるため、1日250~400kcal相当のダイエット効果があることが複数の臨床試験で実証されています。
それだけに健康な人がダイエット目的で使用する事例が後を絶たないほど。
本来であれば医療機関を受診し、適切な治療と指導を受けたうえで治療薬を処方してもらうべきところ。しかしそれができないようであれば、最低でもフォシーガなどで血糖値や体重の低減を図ってほしいと感じています。
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