糖尿病にとって間食は必ずしもタブーではない
糖尿病は間食できないというのは勘違い
糖尿病になってしまうと厳密なカロリー管理やバランスの良い食事が求められ、高カロリーで糖質の多いお菓子は食べられないと思っていませんか?
確かに洋菓子や和菓子、スナック菓子など間食の定番であるお菓子はカロリーが高く炭水化物や砂糖を多量に使用しているものが多いため注意が必要です。
ただしこれは頻度や量の問題で、ある程度血糖コントロールが出来ていれば必ずしも食べてはいけないものではありません。
ひと時の幸せを提供してくれるお菓子を好む方にとって間食できないのは非常に辛い事なので、ここでは間食について考えてみましょう。
糖尿病の人は間食をしない方が良いと言われる理由
糖尿病というと「あれは食べてはいけない」「これも食べてはいけない」と食べるものを制限されるイメージを持っている方も多いと思いますが、糖尿病だからといって食べてはいけないものは基本的にありません。
ただ、「適している食品」と「あまり適していない食品」が存在するのは確かで、高カロリーで栄養素が偏りがちなお菓子は当然ながら適さない部類に入ります。
というのも、糖尿病の食事療法では個人差はあるものの1日の摂取カロリーはおおむね1400~1800kcal程度に抑える必要がある上に、その中で栄養バランスも考える必要があるためお菓子が入り込む余地はあまりないのです。
またジュースやお菓子に多く使われるブドウ糖や砂糖(ショ糖)は食物繊維を含む炭水化物に比べ吸収が早いため血糖値が急激に上昇するという特徴があります。
「間食=甘いお菓子」というイメージが強いため糖尿病になると間食できない印象を持たれがちですが、間食に適したものを選んだり食べる量をしっかり守れば間食は十分可能です。
糖尿病にはどんなお菓子や間食が適している?
上でも触れましたが、代表的なお菓子である洋菓子やスナック菓子、清涼飲料水や炭酸飲料は高カロリーで栄養素が偏りがちな上、ブドウ糖や砂糖を多く使い血糖値を急激に上昇させてしまう恐れがあるため、積極的な飲食は避けるべきです。
それを勘案して糖尿病の方に適している間食の食品は…
■ヨーグルト(低脂肪・無糖)
ヨーグルトはそれほどカロリーが高くない上にビタミンやミネラルが豊富で腸内環境を整える効果も期待でき、しかも血糖値の上昇を抑えたりインスリン抵抗性の改善にも役立つとの研究結果もある非常に優れた食品です。
ただし乳糖を含んでいるため食べ過ぎは禁物で、出来る限り低脂肪、無糖のものを食べるようにしましょう。
■ナッツ類
ピーナッツやアーモンドに代表されるナッツ類は糖質が少なくミネラルが豊富で抗酸化作用を持つものも多いため糖尿病の人の間食として人気があります。
ただ、糖質は少ないものの脂質やカロリーはそれなりにあるので食べ過ぎには注意する必要があり、ピーナッツであればバターピーナッツより落花生を選ぶようにしたりと出来る限り無塩のものを選ぶようにしましょう。
■寒天系のゼリー
動物性のたんぱく質であるゼラチンに対し寒天は植物性で食物繊維を豊富に含み、寒天自体のカロリーはゼロです。
食物繊維が豊富であるため野菜同様食前に食べるのがもっとも適しており、寒天ゼリーを食べる事によって満腹感を得られ食事の量を減らせるのであればそれに越した事はありません。
■果物
果物には様々なビタミンが含まれ、抗酸化物質であるポリフェノールが含まれるぶどうやブルーベリーなどは糖尿病に良いといわれています。
ただし果物には糖質も多いため食べ過ぎてしまうとカロリーオーバーや血糖値の上昇につながる場合もあるので1日1単位(80kcal)程度の摂取が推奨されています。
■チョコレート(ブラックやビター)
チョコレートは甘いお菓子の代名詞でもあり「糖尿病なのにチョコレート食べていいの?」と感じるかもしれませんが、チョコレートに含まれるポリフェノールは抗酸化作用を持ち、血糖値を下げたりインスリン抵抗性の改善したりといった効果があるという研究結果もあります。
とはいえそこはチョコレート、カロリーはかなり高めなので食べても1日2、3かけら程度にし、またより多くのポリフェノールを含むカカオ濃度の高いものを選びましょう。
上手に間食を取り入れ満足感ある食生活を
上で挙げたものはあくまでも糖尿病の間食に適したもので、ケーキだって大福だって食べてはいけないという事はありませんが、和菓子や洋菓子は栄養バランスが偏ったり血糖値が急激に上昇してしまう恐れもありますので、必ず1日の摂取カロリー内に収め、また週1回程度にしておきましょう。
ただ、糖尿病の人というのは血糖値が上がりやすい一方下がりにくいという特徴があるため、多かれ少なかれ血糖値を上げる間食を食事の間に行うと血糖値が下がる前に再び上げる事になり、どうしても高血糖である時間が長くなってしまいます。
そのため間食をしない事がベストであるのは間違いありません。
しかし我慢ばかりの食事療法ではストレスが溜まる一方ですし、それが原因で長続きしなければ元も子もありません。
確かに理想を言えば間食を行わず3食のみで食事を完結させるべきではあるものの、食べる楽しみを失わないために、生活の質を保つためにも適度な間食は必要といえるでしょう。
血糖値を下げダイエット効果もあるSGLT2阻害薬
これといった自覚症状がないままじわじわと血管を蝕み続ける糖尿病。それだけに健康診断などで血糖値やHbA1cの高さを指摘されても放置している人は驚くほど多く存在するのが実情。
糖尿病治療は本来であれば食事療法と運動療法を軸に、補助としてインスリン注射や経口薬を用い血糖値を正常値もしくはそれに近い数値での安定を目指します。
そうすることで体重の減少・維持と血糖値・HbA1cの効果が望めるから。しかし現実問題として食事制限や運動療法は決して楽なものではなく、またそれを一生続けなければならないという終わりなき苦行でもあります。
そういった背景に加え、受診するのが面倒くさい、行くたびに医師に「痩せなさい」と言われる…などの理由から病院から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか。
しかし、当サイトで口を酸っぱくして述べているように、糖尿病は様々な合併症を引き起こす極めて恐ろしい病気です。血糖値が高い状況はもちろん、糖尿病リスクを高める肥満も放置するべきではありません。
もしどうしても病院に行きたくない場合は、個人輸入代行業者を通じ、日本でも処方されているSGLT2阻害薬「フォシーガ」を購入するという方法も。
SGLT2阻害薬は血液中の糖を積極的に尿と一緒に排出するという画期的な糖尿病治療薬。
従来の経口薬のように細胞内に糖を取り込むインスリンに頼ることなく血糖値を下げられるため、1日250~400kcal相当のダイエット効果があることが複数の臨床試験で実証されています。
それだけに健康な人がダイエット目的で使用する事例が後を絶たないほど。
本来であれば医療機関を受診し、適切な治療と指導を受けたうえで治療薬を処方してもらうべきところ。しかしそれができないようであれば、最低でもフォシーガなどで血糖値や体重の低減を図ってほしいと感じています。
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