理想の栄養バランスとカロリー摂取を継続させる
一筋縄ではいかない糖尿病食の継続
糖尿病の治療において何より重要なのは普段の生活の中で行う食事療法です。
糖尿病のほとんどを占める2型糖尿病の多くは過食や運動不足、それに伴う肥満によって引き起こされるため、糖尿病による高血糖を改善するためには食事を厳密に管理し血糖値を下げると共に肥満の解消をする必要があります。
そのため糖尿病の方の食事は生活活動強度や性別、身長などによって1日1200~2000kcalに収める必要があり、平均して1日1600kcal程度になります。
この1日1600kcalというのは健康な方にとっては厳しい数字で、特に糖尿病を患う方は好きなものを好きなだけ食べてきた人が多いので、なおさら重くのしかかります。
だからといって食事療法を行わないと10年後には様々な合併症を発症している可能性が高くなってしまいますので、糖尿病食をしっかりと継続する事が何より重要となります。
1日1600kcalってどんなもの?
これから糖尿病の食事療法を始める方や糖尿病の疑いがあり節制しようと考えている人にとって「1日1600kcalの食事」と言われてもピンとこないかもしれませんので、少し極端な例で示してみたいと思います。
1日1600kcalを3食で割ったとすれば1食530~540kcalになりますが、このカロリーというのはご飯1合とほぼイコールとなり、おかずの事まで考えれば1食のご飯の量は0.5合くらいまでが限界になるでしょう。
ちょっとがたいのいい方なら1食ご飯1合なんてペロッといっていまう量だと思いますので、毎食0.5合程度に抑えなければならないというのはかなりの苦痛を伴うと思います。
マクドナルドのビッグマックが1個530kcalなので3食ビッグマック1個ずつで1日の摂取カロリーを満たす事になり、ポテトMとのセットであればビッグマックとマックフライポテトMだけで1000kcal弱、ドリンクによっては1000kaclを軽くオーバーする場合も。
吉野家の牛丼なら並盛で666kcal、カップラーメンとしては大き目のエースコックスーパーカップなら500kcal前後で、これらを3食食べただけでカロリーオーバーもしくは間食はもちろんジュースを挟む余地すらありません。
このカロリーの枠の中で栄養バランスの良い食事を摂らなければならないわけですから、決して楽な事ではない事がご理解頂けると思います。
■糖尿病食は1600kcalの枠の中で栄養バランスの取れた食事を摂る必要がある
栄養と食事量の割り振りは?
バランスの良い食事の考え方としては「炭水化物」「たんぱく質」「脂質」の3大栄養素に加え「ビタミン」「ミネラル」を加えた5つの栄養素をバランスよく摂る事が求められます。
この中で3大栄養素に関しては日本糖尿病学会によって摂るべき割合が示されています。
- ■炭水化物 50~60%
- ■たんぱく質 15~20%
- ■脂質 20~25%
3大栄養素この割合で摂りつつビタミンやミネラルもバランスよく摂取するのが理想で、それを1600kcal前後というカロリーの中で行う必要があります。
3食のカロリー配分に関しては朝・昼・夕を500kcalで均等に割り振り残りの100kcalを間食にあててもいいですし、朝は300kcal程度に抑え昼食と夕食は600kcalとし100kcalを間食という配分でも構いません。
ただ出来る限り3食しっかり食べる事が望ましく、朝は抜いて昼は300kcalくらいの軽めの食事、そして夕食は1300kcal…という極端な食べ方をすると夕食時に急激な血糖値上昇が起き膵臓に負担をかけることになってしまいますので避けて下さい。
■カロリーはある程度自由に振り分けてもいいがドカ食いする事は避ける
糖尿病食を継続させるコツ
1日1600kcal前後の中で栄養バランスをしっかりと…
かなり大変そうに感じますが、食品交換表を利用し「単位」という1単位80kcalとし食品の大きさやグラム数などの目安を示すものがありますので、これを利用すればカロリーや量の計算はかなり楽になります。
こういったカロリー計算は面倒に感じるかもしれませんし戸惑う事もあるとは思いますが、やっていく内に慣れてきますし献立を考える楽しみも生まれてきます。
月に1度くらいは摂取カロリーの範囲内で好きなものを食べる日を設定するなど無理をしすぎない工夫も必要で、「厳密にこれをこれだけ」と気負うのではなく、カロリーを守った上で栄養バランスは大まかな範囲内でやりくりする良い意味での“適当さ”も必要です。
糖尿病の食事療法は継続する事が何より大事で、それはインスリン注射や薬物療法を行っていても変わらないため、気合を入れすぎて疲れてしまい続かない…という事態だけは避けて下さい。
血糖値を下げダイエット効果もあるSGLT2阻害薬
これといった自覚症状がないままじわじわと血管を蝕み続ける糖尿病。それだけに健康診断などで血糖値やHbA1cの高さを指摘されても放置している人は驚くほど多く存在するのが実情。
糖尿病治療は本来であれば食事療法と運動療法を軸に、補助としてインスリン注射や経口薬を用い血糖値を正常値もしくはそれに近い数値での安定を目指します。
そうすることで体重の減少・維持と血糖値・HbA1cの効果が望めるから。しかし現実問題として食事制限や運動療法は決して楽なものではなく、またそれを一生続けなければならないという終わりなき苦行でもあります。
そういった背景に加え、受診するのが面倒くさい、行くたびに医師に「痩せなさい」と言われる…などの理由から病院から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか。
しかし、当サイトで口を酸っぱくして述べているように、糖尿病は様々な合併症を引き起こす極めて恐ろしい病気です。血糖値が高い状況はもちろん、糖尿病リスクを高める肥満も放置するべきではありません。
もしどうしても病院に行きたくない場合は、個人輸入代行業者を通じ、日本でも処方されているSGLT2阻害薬「フォシーガ」を購入するという方法も。
SGLT2阻害薬は血液中の糖を積極的に尿と一緒に排出するという画期的な糖尿病治療薬。
従来の経口薬のように細胞内に糖を取り込むインスリンに頼ることなく血糖値を下げられるため、1日250~400kcal相当のダイエット効果があることが複数の臨床試験で実証されています。
それだけに健康な人がダイエット目的で使用する事例が後を絶たないほど。
本来であれば医療機関を受診し、適切な治療と指導を受けたうえで治療薬を処方してもらうべきところ。しかしそれができないようであれば、最低でもフォシーガなどで血糖値や体重の低減を図ってほしいと感じています。
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