禁煙は糖尿病の発症リスクを高める?
糖尿病にとって重要となる禁煙だが…
タバコは糖尿病の発症リスクや合併症・死亡リスクに至る様々な面に悪影響を与えます。
そのため当サイトでも「糖尿病の大敵 タバコを止めるべき様々な理由」などのページで禁煙の重要性を訴えておりますが、実は禁煙によって糖尿病リスクが高まるという全く逆のデータも存在します。
常識的に考えて「百害あって一利なし」と言われるタバコが糖尿病に悪影響を与えるのは想像に難くありませんが、ではなぜ禁煙が糖尿病の発症リスクや悪化をもたらす可能性に言及されているのでしょうか?
禁煙による糖尿病リスクは体重の増加
禁煙を行った後数年間は糖尿病のリスクが高まる事は国内外の研究結果で明らかになってきています。
それらの結果では禁煙後3~5年の間は非喫煙者に比べ糖尿病発症リスクは1.5~2倍ほど増え、その後徐々に減っていき10年以降は発症リスクの高まりは見られないという点でおおむね一致しています。
国立がん研究センターと国立国際医療研究センターのグループが全国約6万人を対象に行った大規模調査の結果、禁煙後5年間の糖尿病発症リスクは非喫煙者に比べ男性で1.42倍、女性で2.84倍と女性の方が有意に高く、また喫煙本数が多いほどそのリスクは高くなる傾向に。
禁煙後に糖尿病の発症リスクが高まる一番の要因は体重の増加だと見られており、「タバコをやめた事によって正常な味覚が戻りご飯が美味しくなった」というのはよく聞く話ですし、そもそもタバコを吸うと食欲が無くなるため、それをやめれば食欲が増すのは自然な事だと考えられます。
そのため、糖尿病リスクを上げないためには禁煙後もしっかりとカロリーコントロールを行うなど、体重が増えないように留意する必要があります。
しかし一方で、禁煙後体重が増えていなくても糖尿病リスクが高まるという研究結果もあり、これに関しては明確なメカニズムは解明されていませんが、禁煙する事によって膵臓やインスリンに関する何かしらの変化が起こるためと考えられています。
これらの事から禁煙後の糖尿病リスクを少しでも抑えるためには食事量を増やさず栄養バランスに気をつけ、また適度な運動を取り入れるという糖尿病予防の基本をしっかり行う事が重要になります。
■体重が増加しなくても糖尿病リスクが高まるという研究結果も
糖尿病リスクが高まるなら禁煙しない方がよい?
「タバコやめても糖尿病リスクが高まるなら無理してやめる必要ないじゃん」
愛煙家からはそういった声も聞こえてきそうですが、確かに禁煙後短期的には糖尿病リスクが高まる恐れがあるものの、長い目で見ればタバコを吸い続けた方が遥かにリスクは高くなります。
また、タバコのリスクは糖尿病のみならず心疾患や脳卒中、がんなど様々な生活習慣病のリスクを大幅に高めますし、タバコ代も馬鹿にならず、しかも周囲から「臭い」と白い目で見られるのですから、短期的に糖尿病リスクが高まる事を盾に喫煙を正当化する理由にはなりません。
それでもタバコをやめた後は糖尿病リスクが高まる事は間違いありませんので、禁煙後は食事管理や運動による体重コントロールを行う事で糖尿病発症リスクを下げつつ、定期的な健康診断によって血糖値やHbA1cの数値をしっかりとチェックする事が求められます。
自力では長続きせず難しい禁煙も、禁煙外来の受診やチャンピックスの使用で成功率は大幅に上昇しますから、ご自身の体のためにもぜひ禁煙にチャレンジしてみて下さい。
血糖値を下げダイエット効果もあるSGLT2阻害薬
これといった自覚症状がないままじわじわと血管を蝕み続ける糖尿病。それだけに健康診断などで血糖値やHbA1cの高さを指摘されても放置している人は驚くほど多く存在するのが実情。
糖尿病治療は本来であれば食事療法と運動療法を軸に、補助としてインスリン注射や経口薬を用い血糖値を正常値もしくはそれに近い数値での安定を目指します。
そうすることで体重の減少・維持と血糖値・HbA1cの効果が望めるから。しかし現実問題として食事制限や運動療法は決して楽なものではなく、またそれを一生続けなければならないという終わりなき苦行でもあります。
そういった背景に加え、受診するのが面倒くさい、行くたびに医師に「痩せなさい」と言われる…などの理由から病院から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか。
しかし、当サイトで口を酸っぱくして述べているように、糖尿病は様々な合併症を引き起こす極めて恐ろしい病気です。血糖値が高い状況はもちろん、糖尿病リスクを高める肥満も放置するべきではありません。
もしどうしても病院に行きたくない場合は、個人輸入代行業者を通じ、日本でも処方されているSGLT2阻害薬「フォシーガ」を購入するという方法も。
SGLT2阻害薬は血液中の糖を積極的に尿と一緒に排出するという画期的な糖尿病治療薬。
従来の経口薬のように細胞内に糖を取り込むインスリンに頼ることなく血糖値を下げられるため、1日250~400kcal相当のダイエット効果があることが複数の臨床試験で実証されています。
それだけに健康な人がダイエット目的で使用する事例が後を絶たないほど。
本来であれば医療機関を受診し、適切な治療と指導を受けたうえで治療薬を処方してもらうべきところ。しかしそれができないようであれば、最低でもフォシーガなどで血糖値や体重の低減を図ってほしいと感じています。
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