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糖尿病スパイク(グルコーススパイク)とは


聞きなれない糖尿病スパイク(グルコーススパイク)

糖尿病スパイク(グルコーススパイク)とは

皆さん「糖尿病スパイク」という言葉をご存知ですか?

最近NHKや朝の情報番組でも取り上げられたこともありご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、糖尿病スパイクとは「グルコーススパイク」とも呼ばれるもので、心筋梗塞や脳梗塞といった命に係わる疾患を引き起こします。

この言葉が世に出てきたのはここ数年のことですが、この糖尿病スパイク(グルコーススパイク)とはどういったものなのでしょうか?

糖尿病スパイク(グルコーススパイク)とは?

糖尿病スパイク(グルコーススパイク)とは、空腹時血糖値は正常なのに食後に血糖値が急激に上昇することを指します。

糖尿病スパイク(グルコーススパイク)の特徴

上図のように普段は健康な人と同じかそれ以下の血糖値で推移するものの、食後は一気に跳ね上がり、そして急降下するという乱高下を繰り返し、その形が野球などのスポーツで使われるとげの付いた靴「スパイク」に似ていることからこの名が付いています。

糖尿病に詳しい方などは「ん?これって…」と感じたたかもしれませんが、これはつまり「食後高血糖」「隠れ糖尿病」とも呼ばれるもので、これに関しては当サイトでも以前に紹介しています。

隠れ糖尿病や食後高血糖が名を変えたものが糖尿病スパイク(グルコーススパイク)であり、症状自体は昔からあるものになります。

個人的にはこの言葉を初めて聞いた時「なんでわざわざそんな呼び方に?」と感じたものですが、インパクトのある呼び名にし注意喚起を促す狙いがあるのかもしれません。

 ■糖尿病スパイクとは食後に血糖値が急上昇と急降下を繰り返す
 ■食後高血糖や隠れ糖尿病と呼ばれているものの別名

糖尿病スパイク(グルコーススパイク)の特徴

食後高血糖に関しては「静かに忍び寄る隠れ糖尿病の恐怖」でも書いていますが、改めてその特徴を挙げてみたいと思います。

健康な人であれば食事をはじめた際の血糖値の上昇に合わせて膵臓からインスリンが分泌され速やかに血糖値を下げますので、一般的には食後の血糖値でも140mg/DLを超えることはほとんどありません。

しかしインスリン分泌能や感受性は落ちているが常に血糖値が高くなるほどではない人…つまり軽度な糖代謝異常である場合、空腹時は正常値でも食後は急激に跳ね上がる傾向にあり、いずれ糖尿病に移行する可能性が高くなります。

本来自覚症状に乏しい糖尿病ですが、糖尿病スパイクの状態では…

  • ■食後やたらと眠くなる
  • ■食事して1時間もするとお腹が空く
  • ■食後は頭がボーっとして集中力散漫になる

…といった自覚症状があらわれることがあります。

これは食後急激に血糖値が上がると脳内のアドレナリンやドーパミンといった血糖値を上昇させたり興奮・覚醒させたりする神経伝達物質の分泌がストップすることによって起こるのです。

また、急激な血糖値上昇によって膵臓は多量にインスリンを分泌することになり、揺り戻しで低血糖状態になることがあり、これがボーっとする原因になっている場合も。

健康な人でも食後に眠くなるのは同様の働きによるものですが、あまりにもそれが強い場合は糖尿病スパイクを疑ってみたほうがいいかもしれません。

■糖尿病スパイクは食後に強い眠気や空腹感、注意力散漫といった症状が出る
■高血糖の揺り戻しによる低血糖にも注意が必要

心筋梗塞や脳梗塞、認知症のリスクが大幅に高まる

糖尿病のように血糖値が高い状態にあると血管の内皮が傷つき、そこにLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や、それを処理するために集まったマクロファージの死骸が蓄積し血管の内皮が部分的に厚くなり血管が狭くなります。

これはいわゆる「動脈硬化」と呼ばれ、心筋梗塞や脳梗塞といった血管疾患の大きな要因になりますが、これは糖尿病スパイクによる食後の急激な高血糖によっても進行していきます。

また、糖尿病スパイクの状態だと脳の血管にアミロイドβという認知症の原因とされるホルモンが蓄積される傾向にあり、将来アルツハイマー型認知症になってしまうリスクが通常の1.5~2倍に跳ね上がるのです。

これを放置すればこれらの病気以外にも糖尿病やがんなど様々な病気の原因になることがありますので、早期に発見し治療することが何より大事になります。

■糖尿病スパイクは心筋梗塞などの血管疾患や認知症のリスクを大幅に高める
■放置すると糖尿病に移行する可能性が高く様々な合併症の恐れ

糖尿病スパイクは早期発見・治療を心がける

糖尿病スパイク(グルコーススパイク)の状態は「糖尿病」という名が付いてはいるものの状況としては軽度ですので、この段階で発見し治療を行うことで将来的な糖尿病やそれに伴う合併症のリスクを大幅に減らすことができます。

ただ、「隠れ糖尿病」と呼ばれるように空腹時血糖値やHbA1cの数値は正常である場合が多いので通常の血液検査とは違う検査が必要になります。

もっとも確実なのは「経口ブドウ糖負荷試験」を受けること。これは空腹の状態で75gのブドウ糖を摂取し30、60、120分後の血糖値の推移を調べるというもので、これによって食後にどういった血糖値の推移をしているか判明します。

自分で血糖値測定器を購入し食後の血糖値を測るという方法もありますが、より正確なものを測ろうとするなら病院でブドウ糖負荷試験を受けるべきでしょう。

糖尿病スパイクの人は日本に1400万人いるとも言われており決して他人事ではありませんので、気になる人は検査を受けてみて下さい。

血糖値を下げダイエット効果もあるSGLT2阻害薬

血糖値降下・ダイエット効果があるSGLT2阻害薬フォシーガ これといった自覚症状がないままじわじわと血管を蝕み続ける糖尿病。それだけに健康診断などで血糖値やHbA1cの高さを指摘されても放置している人は驚くほど多く存在するのが実情。

糖尿病治療は本来であれば食事療法と運動療法を軸に、補助としてインスリン注射や経口薬を用い血糖値を正常値もしくはそれに近い数値での安定を目指します。

そうすることで体重の減少・維持と血糖値・HbA1cの効果が望めるから。しかし現実問題として食事制限や運動療法は決して楽なものではなく、またそれを一生続けなければならないという終わりなき苦行でもあります。

そういった背景に加え、受診するのが面倒くさい、行くたびに医師に「痩せなさい」と言われる…などの理由から病院から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか。

しかし、当サイトで口を酸っぱくして述べているように、糖尿病は様々な合併症を引き起こす極めて恐ろしい病気です。血糖値が高い状況はもちろん、糖尿病リスクを高める肥満も放置するべきではありません。

もしどうしても病院に行きたくない場合は、個人輸入代行業者を通じ、日本でも処方されているSGLT2阻害薬「フォシーガ」を購入するという方法も。

SGLT2阻害薬は血液中の糖を積極的に尿と一緒に排出するという画期的な糖尿病治療薬。

従来の経口薬のように細胞内に糖を取り込むインスリンに頼ることなく血糖値を下げられるため、1日250~400kcal相当のダイエット効果があることが複数の臨床試験で実証されています。

それだけに健康な人がダイエット目的で使用する事例が後を絶たないほど。

本来であれば医療機関を受診し、適切な治療と指導を受けたうえで治療薬を処方してもらうべきところ。しかしそれができないようであれば、最低でもフォシーガなどで血糖値や体重の低減を図ってほしいと感じています。

SGLT2阻害薬フォシーガの詳細

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