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GI値の問題点 低インスリンの落とし穴


糖尿病予防や改善にも用いられるGI値だが…

GI値の問題点 食品は食物繊維の量や消化のスピードなどによって糖の吸収速度や量が異なり、それを分かりやすく数値化したものをGI値(グリセミックインデックス)と呼びます。

糖尿病の改善や予防において食後の急激な血糖値上昇は極力避けるべきなので、そういった面でGI値は非常に有用で当サイトでも詳しく取り上げています。(→血糖コントロールに役立つGI値の活用

糖の吸収が遅い事はダイエットにも効果的とされ広く注目されるGI値ですが、一方で否定的な意見もあります。

実際調べていくといくつかの疑問が出てくるのも確かなので、ここではGI値について今一度考えてみたいと思います。

そもそもGI値とは何?

GI値とは 「GI値って何?」という方もいらっしゃると思いますのでGI値について軽く触れておきます。

GI値とは食品ごとに異なる糖の吸収速度や量を数値化したもので、ブドウ糖を摂取した際の2時間後までの吸収率を100とし、比較する食品が相対的にどの程度の割合かを示しています。

GI値は血糖値が上昇してから元に戻るまでの面積を測定し、血糖値上昇の面積が広いほど高GIという事になります。

GI値が高い食品というのは糖の吸収スピードが早いため食後急激に血糖値が上昇するため、膵臓は血糖値を下げようとインスリンを多量に分泌し糖を細胞に取り込もうとします。

一方、GI値が低い食品の場合は糖の吸収が穏やかであるためインスリン分泌量が少なくて済み、膵臓の負担や糖の細胞への取り込みが減るため糖尿病の治療目的はもちろんダイエットにも効果的としてGI値を用いた低インスリンダイエットが注目されています。

■GI値とはブドウ糖に対しどの程度の割合で糖を吸収するかを示した数値
■GI値は食後から2時間までの上昇した面積を測定している

GI値の問題点1 血糖値急上昇が高GIとは限らない

GI値を語る際、食後急激に血糖値が上昇する食品が「高GI」、緩やかに上昇する食品が「低GI」といった論調をよく見かけますが、必ずしもそうではありません。

GI値は面積で計測

例えば上図のような血糖値の推移を辿る2つの食品があったとします。

食品Aは食後急激に血糖値が上昇するもののその後速やかに減少し、一方の食品Bは糖の吸収が穏やかであるため急激な上昇はしないものの、血糖値の減少も緩やか。

一般的な認識では急激な血糖値上昇をもたらすのが高GI、緩やかな血糖値上昇を示すのが低GIとされていますが、GI値の計測は“面積”であるため、上図の2つを比べると同等もしくは糖の吸収が穏やかな食品Bの方が高GIという事になります。

ピーク時の血糖値が高い場合は多くのインスリンが分泌されるのは確かですが、血糖値が速やかに下がればその後のインスリン分泌は少なくて済み、一方糖の吸収が緩やかである場合は瞬間的にインスリンが大量に分泌される事はないものの、ジワジワダラダラとインスリンは分泌され続け、結果的には糖の吸収が穏やかな食品Bの方が多量のインスリンを分泌する必要がある事も考えられます。

この事から「高GI=急激に血糖値が上昇する」「低GI=糖の吸収が穏やか」という考えは正しくない事が分かります。

 ■GI値は必ずしも血糖値の上昇速度を示したものとは限らない

GI値の問題点2 食後2時間までしか考慮されない

健康な人であれば多くの場合食後2時間ほどで血糖値は元の水準に戻ります。

それを考慮してGI値は2時間後までの糖の吸収の速度や量を数値化しているのですが、GI値の低いものというのは糖の吸収が遅くなる多糖類のものや食物繊維が豊富なもの、消化の悪いものなどになります。

消化が悪い場合2時間後でも糖の吸収が終わっていない事も十分考えられるものの、2時間後までの数値しか見ていないGI値では2時間以降の糖の吸収に関しては切り捨てられる事になります。

2時間までしか測らないGI値の問題点

例えば上図のように急激な血糖値上昇後速やかに下がる食品Aは高GI…つまり「悪者」のような扱いを受けますが、全体的な糖の吸収量はさほど多くありません。

一方、糖の吸収が穏やかな低GIの食品Bはゆっくりと糖を吸収するものの2時間後以降も糖の吸収が続き結果として糖の量は多くなってしまう可能性も考えられるのです。

糖尿病の人はインスリンの量が少なかったりインスリン抵抗性によって効き目が悪かったりするので2時間で糖の吸収が終わるとは言い難く、健康な人で計測したGI値がどこまで参考になるのかは未知数と言わざるを得ません。

 ■消化の悪い食品は糖の吸収が2時間で終わるとは限らない
 ■糖の吸収が悪い糖尿病患者の場合GI値がどこまで参考になるのか未知数

GI値に過信は禁物

食品ごとの糖の吸収速度や量を数値化したGI値は傾向や目安としては参考になるものの絶対ではなく、特に糖尿病の方にとっては過信は禁物です。

なぜならGI値の計測は糖尿病などを持っていない健康な方10人ほどの数値から平均を取ったもので、そもそも糖の吸収の仕方やスピードは個人差がある上に糖尿病の人で測ったGI値は存在しないからです。

急激な血糖値上昇後にすぐ下がるような食品のGI値は面積が少なくなるためGI値も低めになる傾向にあるものの、血糖値が下がりづらい糖尿病の人の場合は同じ食品を摂っても急激な血糖値上昇後は思うように下がらず高血糖が長時間続く事も十分考えられます。

それを言い出したら何も食べられない」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、私が言いたいのは「GI値は目安にしかならないからこれに固執するのはやめよう」という事に尽きます。

不確定な部分も多いGI値の表とにらめっこしながら献立を考えるより、しっかりとカロリー計算し栄養バランスを考えた方がずっと楽ですし、もし「低GI食品を選んで食べているから少し多めに食べても大丈夫」と考えているなら危険ですから直ちに止めて下さい。

GI値はあくまでもカロリー制限と栄養バランスを考えた食事の中で無理がない程度に取り入れるものと考えるべきでしょう。


血糖値を下げダイエット効果もあるSGLT2阻害薬

血糖値降下・ダイエット効果があるSGLT2阻害薬フォシーガ これといった自覚症状がないままじわじわと血管を蝕み続ける糖尿病。それだけに健康診断などで血糖値やHbA1cの高さを指摘されても放置している人は驚くほど多く存在するのが実情。

糖尿病治療は本来であれば食事療法と運動療法を軸に、補助としてインスリン注射や経口薬を用い血糖値を正常値もしくはそれに近い数値での安定を目指します。

そうすることで体重の減少・維持と血糖値・HbA1cの効果が望めるから。しかし現実問題として食事制限や運動療法は決して楽なものではなく、またそれを一生続けなければならないという終わりなき苦行でもあります。

そういった背景に加え、受診するのが面倒くさい、行くたびに医師に「痩せなさい」と言われる…などの理由から病院から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか。

しかし、当サイトで口を酸っぱくして述べているように、糖尿病は様々な合併症を引き起こす極めて恐ろしい病気です。血糖値が高い状況はもちろん、糖尿病リスクを高める肥満も放置するべきではありません。

もしどうしても病院に行きたくない場合は、個人輸入代行業者を通じ、日本でも処方されているSGLT2阻害薬「フォシーガ」を購入するという方法も。

SGLT2阻害薬は血液中の糖を積極的に尿と一緒に排出するという画期的な糖尿病治療薬。

従来の経口薬のように細胞内に糖を取り込むインスリンに頼ることなく血糖値を下げられるため、1日250~400kcal相当のダイエット効果があることが複数の臨床試験で実証されています。

それだけに健康な人がダイエット目的で使用する事例が後を絶たないほど。

本来であれば医療機関を受診し、適切な治療と指導を受けたうえで治療薬を処方してもらうべきところ。しかしそれができないようであれば、最低でもフォシーガなどで血糖値や体重の低減を図ってほしいと感じています。

SGLT2阻害薬フォシーガの詳細

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