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HbA1c(ヘモグロビンA1c)のJDS値とNGSP値


基準が変わったHbA1c

JDS値とNGSP値 HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)は、過去1~2ヶ月の血糖値の推移がわかるとあって糖尿病を診断する上で非常に重要な数値となっています。

しかしこのHbA1c、2012年4月1日より基準がJDS値からNGSP値というものに変更されたのはご存知でしょうか?

すでに数年前の事なので医療機関による健康診断や血液検査はなどは100%NGSP値になっておりますが、2012年以前の古い書籍やサイトなどはいまだJDP値でを基準としたHbA1cの数値を持ち出しているものがあり注意が必要です。

ちょっとややこしい古い基準であるJDS値と新しい基準のNGSP値、混乱を避けるためにも正しい知識を身に付けるようにして下さい。

なぜHbA1cはJDS値からNGSP値に変わったのか?

2012年4月1日以前までHbA1cの診断基準として広く使われていたJDS値というのは日本独自のものであり、世界的にはNGSP値がスタンダードでした。

世界的に糖尿病患者が増加している中で、また糖尿病の情報や治療法などがグローバル化している中で日本だけ独自の数値を使うことは混乱を招く恐れがあるため2012年4月1日から世界基準であるNGSP値が正式に採用されることになりました。

JDS値からNGSP値は測定条件設定の違いでNGSP値のほうが約0.4%高い数値が出ることから糖尿病の診断基準なども0.4%高い数値に置き換えられています。

ただし気をつけて欲しいのは、HbA1cでの診断基準が単純に0.4%上がったわけではなく測定方法自体が変わっている点です。

この変更に伴って糖尿病型と診断される基準は6.1%から6.5%になっていますが、例えば今まで糖尿病型と診断されていたJDS値6.3%だった人が糖尿病型から外れるわけではなく、NGSP値換算で6.7%となり糖尿病型である事に変わりありません。

■JDS値からNGSP値への変更は世界基準に合わせるため
■測定方法が変わったのであって診断基準が変わったわけではないので注意

NGSP値は必ずしも0.4%増やせばよいわけではない

HbA1cの新たな基準であるNGSP値は一般的にJDS値に0.4%足したものとされており、今まで5.8%だった人はNGSP値では6.2%ということになります。

しかし厳密には必ずしも0.4%足せばよいというわけではないことが「JDS値からNGSP値への換算早見表」を見るとわかります。

JDS値からNGSP値への換算早見表

確かにHbA1cでもっとも使われるコアな部分である5.0~9.9%に関してはJDS値に0.4%足せばよいものの、4.9%以下では0.3%足した数になっており、また10.0%以上では0.5%、15.0%以上では0.6%を足す必要があります。

これはJDS値からNGSP値を求めるのに使われる「NGSP値(%)=1.02×JDS値(%)+0.25%」という式が影響しており、必ずしも0.4%足せばよいというわけではありません。

ただHbA1cで重要視される数値はJDS値換算で5.0~9.9%の間にすべて収まっており、それ以下は「まったく問題ない数値」、それ以上は「危険な数値」となるため0.1%が重要視される事はなく問題にならないのでしょう。

■NGSP値は必ずしもJDS値に0.4%足せばよいわけではない
■診断に重要な数値は0.4%足せばよい範囲に収まっているため問題にならない

JDS値とNGSP値のまとめ

冒頭でも触れましたが、医療機関などに関してはNGSP値での統一が徹底されているため、血液検査での結果はすべてNGSP値と思って間違いありません。

しかし2012年以前に書かれた書籍やサイトなどでは情報が古くJDS値となっていることも多々あるため注意が必要です。

今回のJDS値からNGSP値への変更もそうですが、世界的に肥満とされるBMI30が日本では25であったり、メタボリックシンドロームの腹囲の基準が世界では男性90cm、女性80cmなのに対し日本では男性85cm、女性90cmだったりと日本は変な独自規準があり混乱を招いています。

肥満のBMIに関しては欧米人に比べ日本人のインスリン分泌能が低いことを考えれば納得できるものの、HbA1cのJDS値や女性のほうが緩いメタボリックシンドロームの腹囲基準など意味不明な点も多いのは否めません。

情報など様々な面でグローバル化している現代、こういったガラパゴス的な指標は混乱を招くだけなので、ぜひとも改善して欲しいと感じます。


血糖値を下げダイエット効果もあるSGLT2阻害薬

血糖値降下・ダイエット効果があるSGLT2阻害薬フォシーガ これといった自覚症状がないままじわじわと血管を蝕み続ける糖尿病。それだけに健康診断などで血糖値やHbA1cの高さを指摘されても放置している人は驚くほど多く存在するのが実情。

糖尿病治療は本来であれば食事療法と運動療法を軸に、補助としてインスリン注射や経口薬を用い血糖値を正常値もしくはそれに近い数値での安定を目指します。

そうすることで体重の減少・維持と血糖値・HbA1cの効果が望めるから。しかし現実問題として食事制限や運動療法は決して楽なものではなく、またそれを一生続けなければならないという終わりなき苦行でもあります。

そういった背景に加え、受診するのが面倒くさい、行くたびに医師に「痩せなさい」と言われる…などの理由から病院から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか。

しかし、当サイトで口を酸っぱくして述べているように、糖尿病は様々な合併症を引き起こす極めて恐ろしい病気です。血糖値が高い状況はもちろん、糖尿病リスクを高める肥満も放置するべきではありません。

もしどうしても病院に行きたくない場合は、個人輸入代行業者を通じ、日本でも処方されているSGLT2阻害薬「フォシーガ」を購入するという方法も。

SGLT2阻害薬は血液中の糖を積極的に尿と一緒に排出するという画期的な糖尿病治療薬。

従来の経口薬のように細胞内に糖を取り込むインスリンに頼ることなく血糖値を下げられるため、1日250~400kcal相当のダイエット効果があることが複数の臨床試験で実証されています。

それだけに健康な人がダイエット目的で使用する事例が後を絶たないほど。

本来であれば医療機関を受診し、適切な治療と指導を受けたうえで治療薬を処方してもらうべきところ。しかしそれができないようであれば、最低でもフォシーガなどで血糖値や体重の低減を図ってほしいと感じています。

SGLT2阻害薬フォシーガの詳細

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