インスリン注射をすれば何を食べても大丈夫?
インスリンを打てば食事に気を使う必要はないのか
このサイトで何度か書いているので目にしている方もいらっしゃるかもしれませんが、私の知り合いにインスリン注射を打っている・薬物療法を行っている人が数人います。
当然ながら糖尿病が“軽度”ではないためにインスリン療法や薬物療法を行っており、体を見ても完全な肥満体である人ばかりです。
勘のよい方ならお気づきかもしれませんが…そう、「インスリン療法や薬物療法を行っているのに肥満」なのです。
糖尿病になってしまうと食事療法や運動療法による血糖コントロールが求められ、それでも思うように血糖値が下がらない場合は薬物療法やインスリン療法になるのが一般的。
薬物療法やインスリン療法を行っているにもかかわらず痩せない知り合いに話を聞くと「インスリンや薬を使っているから大丈夫」とのたまう人も数人。
確かに血糖値を下げる働きがあるインスリンや薬を使えば多少食べても大丈夫なような気もしますが、果たして…
インスリンを打っても好きなだけ食べていいはずない
結論から言うと「インスリンを打っていれば好きに食べても大丈夫」が通用すれば糖尿病の合併症により悲惨な末路になってしまう方の数は相当少ないはずですが、糖尿病性網膜症は失明原因の第2位、人工透析を受ける方の4割が糖尿病性腎症、非外傷性の切断原因第1位が糖尿病による壊疽で、その数は年間1万人とも2万人ともいわれています。
経口薬を飲んでいる知り合いのある女性は身長155cmくらいで体重は70kg超の完全な肥満体型で、薬を飲んでいるにもかかわらずHbA1cは8.0前後あるとのこと。
しかしタバコを1日2箱吸い食べ放題にもちょくちょく行く彼女が痩せる事はなく、HbA1cが8という状態が続けば数年後には何かしらの合併症が出てくる可能性が高いでしょう。
これはインスリン注射を打っていても同様で、本来人間の体が状況に合わせて緻密に行っている血糖コントロールを、下げられる血糖値や効き目の現れる時間が決まっている薬やインスリンを使って行うわけですから食事のタイミングや量に制限があるのは当然です。
薬やインスリン注射の効果以上の食事を行えば血糖値は急激に上昇しますし、食後の血糖値を下げるために食前に打つ速効性や超速効性のインスリン注射の場合、間食には効果を発揮しません。
薬やインスリン注射はあくまでも糖尿病治療の補助
病院で処方される糖尿病の経口薬やインスリン注射は肥満を維持するほどの食事や運動不足を想定しておらず、あくまでもカロリー制限等の食事療法や運動療法を行うことが前提での処方が基本です。
軽度の糖尿病であろうが重度の糖尿病であろうが、またインスリン分泌能がゼロに近い1型糖尿病であろうが治療の基本は食事療法と運動療法で、経口薬やインスリン注射はそれを助けるための補助でしかないのです。
例えば毎食前にしっかりインスリン注射を行い食事量も適切であるため血糖コントロールがしっかりできているような方でも、気を抜いて食間に350mlの普通のコーラを飲もうものなら血糖値が軽く200mg/DLを超えてしまうなんて珍しいことでもなんでもありません。
つまり経口薬を使おうがインスリン注射を使おうが本人の心がけがないと血糖コントロールを行うことは不可能で、「薬を飲んでるから・インスリンを打ってるから食べても大丈夫」という考えでは、そう遠くない将来合併症に苦しむことになってしまうでしょう。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、不摂生により両足切断、右目失明、左目眼底出血、人工透析になりながらもサイトに自身の経過を最後まで書き込み2002年に死去した落下星さんのようにならないためにも、薬物療法やインスリン療法は食事療法や運動療法の補助と認識し血糖コントロールをしっかり行うようにして下さい。
血糖値を下げダイエット効果もあるSGLT2阻害薬
これといった自覚症状がないままじわじわと血管を蝕み続ける糖尿病。それだけに健康診断などで血糖値やHbA1cの高さを指摘されても放置している人は驚くほど多く存在するのが実情。
糖尿病治療は本来であれば食事療法と運動療法を軸に、補助としてインスリン注射や経口薬を用い血糖値を正常値もしくはそれに近い数値での安定を目指します。
そうすることで体重の減少・維持と血糖値・HbA1cの効果が望めるから。しかし現実問題として食事制限や運動療法は決して楽なものではなく、またそれを一生続けなければならないという終わりなき苦行でもあります。
そういった背景に加え、受診するのが面倒くさい、行くたびに医師に「痩せなさい」と言われる…などの理由から病院から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか。
しかし、当サイトで口を酸っぱくして述べているように、糖尿病は様々な合併症を引き起こす極めて恐ろしい病気です。血糖値が高い状況はもちろん、糖尿病リスクを高める肥満も放置するべきではありません。
もしどうしても病院に行きたくない場合は、個人輸入代行業者を通じ、日本でも処方されているSGLT2阻害薬「フォシーガ」を購入するという方法も。
SGLT2阻害薬は血液中の糖を積極的に尿と一緒に排出するという画期的な糖尿病治療薬。
従来の経口薬のように細胞内に糖を取り込むインスリンに頼ることなく血糖値を下げられるため、1日250~400kcal相当のダイエット効果があることが複数の臨床試験で実証されています。
それだけに健康な人がダイエット目的で使用する事例が後を絶たないほど。
本来であれば医療機関を受診し、適切な治療と指導を受けたうえで治療薬を処方してもらうべきところ。しかしそれができないようであれば、最低でもフォシーガなどで血糖値や体重の低減を図ってほしいと感じています。
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