糖尿病治療を行わず痩せだしたら重症の可能性
糖尿病の大きな危険因子は肥満だが…
一般的な認識として糖尿病は太っている人…つまりデブがかかる病気だと感じている人は多いと思います。
実際に肥満の人はそうでない人に比べ糖尿病リスクは5倍になるといわれており、その理由はカロリー過多や運動不足、肥大した脂肪細胞によるインスリン抵抗性が挙げられ、肥満が糖尿病リスクを高めることは間違いありません。
しかし糖尿病は自覚症状に乏しい病としても知られており、肥満によって糖尿病を発症していてもこれといった自覚症状がなく放置している方が多いという現状があります。
肥満は糖尿病リスクを大きく高めるため「糖尿病=デブ」という印象を持たれがちですが、それを放置し続けていると、ある時を境にどんどん体重が減っていくという現象が起き始めることになります。
糖尿病なのに痩せる?
肥満の状態にある方は摂取カロリーと消費カロリーのバランスが取れていないことを意味しており、摂取カロリー過多や運動不足による消費カロリーが少ない状態というのはインスリンを分泌する膵臓に負担をかけ疲弊させる結果となりますし、肥大した脂肪細胞からはインスリンの効きを弱める物質が分泌され血糖値を上昇させることが分かっています。
そのため太っている人は糖尿病のリスクが有意に高くなるのですが、それを放置し糖尿病が進行すると、食生活や生活習慣は変わらないのに体重が減少しだすという状況になります。
基本的に太っている人が痩せることは体にとって良い兆候であるため、これといった努力もせず痩せだした自分の体を見て喜ばしく感じるかもしれませんが、これまで肥満を維持してきた食生活や生活習慣の中で体重が減少しだしたら危険のサインと思ってください。
なぜなら、特にトレーニングなどをしていない人は20歳くらいをピークに筋肉は年に1%落ちるとされ、それに伴って基礎代謝も落ちるため、若い頃と同じ食生活や生活習慣を送っていれば自然と太ることになるのですが、その状況で痩せだすというのは明らかに異常だからです。
糖尿病で痩せてしまうのはなぜか
生活習慣が主な原因で発症する2型糖尿病の多くは30代以降にかかり、本来であれば運動量や基礎代謝の減少で太りやすくなる年齢であるのに、食生活や生活習慣を変えていないにも関わらずなぜか徐々に痩せてきた…
糖尿病というのは膵臓からのインスリンの分泌量が低下したり、インスリン抵抗性によってインスリンの効きが悪くなったりして血液中の糖の濃度が高くなる病気で、インスリンによる細胞への糖の取り込みが上手くいかない、追いつかないために起こります。
糖尿病初期~中期ではインスリンの分泌や効きが弱いながらも体は必死に糖を細胞内に取り込み血糖値を下げようとします。
しかし重度の糖尿病になるとインスリン分泌能やインスリンの効き目は極端に落ち血糖値は空腹時でも300mg/DL以上あるなんてことが普通になり、血液中の過剰な糖は細胞に取り込まれず尿として排出されることになります。
エネルギーである糖が細胞に取り込まれれないため脂肪細胞へのエネルギーの蓄積はおこなわれなくなる一方、体は脂肪や筋肉を分解してエネルギーを作るようになるので食べても食べても太らない体になってしまいます。
「食べても食べても太らない」なんて誰もが憧れる体ではありますが、糖尿病によってこの状態になるとすでに病状は重度であるため、この状態でさらに放置すると短期間で糖尿病性腎症や神経障害、網膜症といった合併症が出てくる可能性が高くなります。
■糖尿病により痩せだすと病状はかなり進行しているサイン
糖尿病は痩せだす前に治療を
糖尿病は自覚症状に乏しい病気で、ある程度進行しないと自覚症状は現れませんが、特に何もしていないのに痩せるようになるまで悪化しているのであれば、喉の渇きや頻尿、尿が異常に泡立つなど何かしらの自覚症状が出ている可能性が高く、もしかしたらすでに神経障害による手足のしびれや網膜症による視力の低下が起きているかもしれません。
ここまでの状態になってしまうと緊急入院になる可能性が高く、その後はインスリン注射や経口薬によって血糖値を下げつつ、同時に厳しい食事制限が待っており、よほど厳密な血糖コントロールが行われない限りこれは一生続くことになります。
そうならないためには定期的な検査と、そこで出た血糖値やHbA1cの数値に異常があれば無視をせずしっかりと治療を受けることが何より重要になります。
糖尿病は基本的に不可逆(元に戻らない)病気で、ある程度の回復が見込めるのは膵臓を休ませることによってインスリンを分泌する機能と、肥満の解消や運動によってインスリン抵抗性を減らせることくらいで、これらも一度悪化してしまうと完全に元には戻りません。
特に神経障害や網膜症、腎症に代表される合併症や動脈硬化は完治どころか現状維持が精いっぱいであるため、とにかく早い治療が重要になるのです。
糖尿病で体重が落ちだす状態は病状がかなり進行していることを意味しているので、できればこうなる前にしっかりとした治療を受けるよう心がけて下さい。
血糖値を下げダイエット効果もあるSGLT2阻害薬
これといった自覚症状がないままじわじわと血管を蝕み続ける糖尿病。それだけに健康診断などで血糖値やHbA1cの高さを指摘されても放置している人は驚くほど多く存在するのが実情。
糖尿病治療は本来であれば食事療法と運動療法を軸に、補助としてインスリン注射や経口薬を用い血糖値を正常値もしくはそれに近い数値での安定を目指します。
そうすることで体重の減少・維持と血糖値・HbA1cの効果が望めるから。しかし現実問題として食事制限や運動療法は決して楽なものではなく、またそれを一生続けなければならないという終わりなき苦行でもあります。
そういった背景に加え、受診するのが面倒くさい、行くたびに医師に「痩せなさい」と言われる…などの理由から病院から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか。
しかし、当サイトで口を酸っぱくして述べているように、糖尿病は様々な合併症を引き起こす極めて恐ろしい病気です。血糖値が高い状況はもちろん、糖尿病リスクを高める肥満も放置するべきではありません。
もしどうしても病院に行きたくない場合は、個人輸入代行業者を通じ、日本でも処方されているSGLT2阻害薬「フォシーガ」を購入するという方法も。
SGLT2阻害薬は血液中の糖を積極的に尿と一緒に排出するという画期的な糖尿病治療薬。
従来の経口薬のように細胞内に糖を取り込むインスリンに頼ることなく血糖値を下げられるため、1日250~400kcal相当のダイエット効果があることが複数の臨床試験で実証されています。
それだけに健康な人がダイエット目的で使用する事例が後を絶たないほど。
本来であれば医療機関を受診し、適切な治療と指導を受けたうえで治療薬を処方してもらうべきところ。しかしそれができないようであれば、最低でもフォシーガなどで血糖値や体重の低減を図ってほしいと感じています。
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