ホーム >  糖尿病の原因と基礎知識 >  お酒は糖尿病治療・予防の妨げになるのか

お酒は糖尿病治療・予防の妨げになるのか


酒は百薬の長と言われるが…

お酒は糖尿病を悪化させるか? お酒はタバコと並ぶ一般的な嗜好品で、多くの方が嗜んでいると思います。

タバコに関しては「喫煙が糖尿病にもたらす様々な悪影響」でも取り上げているように「百害あって一利なし」ですが、お酒に関しては「酒は百薬の長」なんて言葉もあり、喫煙と違って良い影響も多そうな雰囲気を漂わせています。

そんな飲酒ですが、糖尿病という観点から見た場合果たしてメリットなのかデメリットなのか?

そして糖尿病の治療や予防という観点からお酒とどう付き合っていくのがベストなのかを取り上げてみたいと思います。

飲酒が糖尿病を悪化・発症させる理由

まず、お酒が糖尿病を引き起こしたり悪化させたりする理由を挙げてみたいと思います。

■インスリンの効きや分泌に悪影響を与える

アルコールを摂取する事により膵臓から分泌されるインスリンが減少します。

また、飲酒によりインスリン抵抗性が高まりインスリンの効きが悪くなる事によって血糖値の上昇を招く事が分かっています。

■カロリー過多に陥りやすい

アルコールにはカロリーがあり、主なお酒カロリーは以下のようになります。

お酒の種類 容量 目安 カロリー
ビール 350ml 1缶 140kcal
発泡酒 350ml 1缶 158kcal
焼酎 60ml コップ1杯 130kcal
日本酒 180ml 1合 193kcal
ウイスキー 30ml シングル1杯 75kcal
ワイン 100ml グラス1杯 75kcal
チューハイ 350ml 一缶 180kcal

同じ種類でもアルコール度数や割るものに違いがあるのである程度前後しますが、概ね上記のようなカロリーになっており、毎日ビールを2缶くらい飲む人はそれだけで300kcal程度のカロリーを摂取している事になります。

また、お酒を飲むとつまみが欲しくなるもので、ついついカロリー過多になりがちなのも糖尿病や生活習慣病の観点からマイナスポイントとなります。

■食欲増進効果

お酒に含まれるアルコールには胃酸の分泌を促し消化を促進させる効果があるため食欲が増し、結果として普段より多くの食事を取ってしまい、そこにアルコールのカロリーも相まって摂取カロリーが増える傾向に。

■場合によっては低血糖を引き起こす

肝臓は血糖値を正常に保つため状況に応じて糖を作ったりするのですが、アルコールを摂取すると肝臓はそちらの分解を優先するため糖の供給がストップし血糖値が下がるという状況に陥る事があります。

血糖値を下げる薬での治療やインスリン注射を行っている場合は特に注意が必要で、最悪の場合重篤な低血糖症に尾塵ル可能性があります。

それを避けるためには空腹時の飲酒を控えたり、適度につまみを食べながらの飲酒が必要となりますが、これはこれでカロリー過多に陥りがちというジレンマがあります。

■飲酒はインスリンの効果や分泌を弱める可能性がある
■アルコールやつまみ、食欲増進効果でカロリー過多に陥りがち

お酒を飲む事によるメリットは?

基本的に糖尿病など生活習慣病にとってお酒は悪影響が多いものですが、これらに対しメリットがないわけではありません。

赤ワインや麦芽100%のビールに含まれるポリフェノールは血糖値を下げる作用や善玉コレステロールを増やす効果があると言われています。

赤ワインを日常的に適量のむ人は糖尿病の発症率が低いという研究結果や、血糖値のコントロールが良好な糖尿病患者が赤ワインを適量飲むとコレステロール関連の数字が改善したりといった報告も。

ただ、これはあくまでも健康な人や血糖値コントロールが良好な人が「適量」飲んだ場合の話であり、ポリフェノールが良いからといって大量に飲めば当然体に悪く本末転倒です。

また、ポリフェノールの効果に関してはプラスになる面があるものの、アルコール自体が持つ悪影響は無視できず、カロリーの問題もあるので赤ワインを飲む事が必ずしもメリットになるとは言い切れません。

一応飲酒には「ストレス解消」というメリットもあり、糖尿病の原因のひとつであるストレスの上手な解消に役立つ場合もあるでしょう。

■赤ワインや麦芽100%ビールに含まれるポリフェノールは糖尿病に良い効果
■ポリフェノールは糖尿病に良いがアルコールのマイナスは消えない

糖尿病患者はお酒を飲んでも良いのか?

糖尿病を患っている方は基本的には飲酒をするべきではありません。

それは飲酒のメリットに対してデメリットがあまりにも大きく、タバコほどではないにしろ悪影響は無視できないからです。

医師によっては完全な禁酒を勧める場合も多く、少量の飲酒を認める場合でも「血糖値コントロールがしっかりできている」「肥満ではない」「投薬治療やインスリン注射を行っていない」などの条件を満たしている方のみになるでしょう。

糖尿病などの生活習慣病や肥満の予防という観点からも飲酒がプラスになる事は少なく、適量を守る事で悪影響を最小限に出来る程度と思っておいた方がよいでしょう。

お酒は日常の楽しみの一つでもありますので「禁酒しろ」とは言いませんが、出来る限り適量を守り楽しく健康的な飲酒を心がけて下さい。


血糖値を下げダイエット効果もあるSGLT2阻害薬

血糖値降下・ダイエット効果があるSGLT2阻害薬フォシーガ これといった自覚症状がないままじわじわと血管を蝕み続ける糖尿病。それだけに健康診断などで血糖値やHbA1cの高さを指摘されても放置している人は驚くほど多く存在するのが実情。

糖尿病治療は本来であれば食事療法と運動療法を軸に、補助としてインスリン注射や経口薬を用い血糖値を正常値もしくはそれに近い数値での安定を目指します。

そうすることで体重の減少・維持と血糖値・HbA1cの効果が望めるから。しかし現実問題として食事制限や運動療法は決して楽なものではなく、またそれを一生続けなければならないという終わりなき苦行でもあります。

そういった背景に加え、受診するのが面倒くさい、行くたびに医師に「痩せなさい」と言われる…などの理由から病院から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか。

しかし、当サイトで口を酸っぱくして述べているように、糖尿病は様々な合併症を引き起こす極めて恐ろしい病気です。血糖値が高い状況はもちろん、糖尿病リスクを高める肥満も放置するべきではありません。

もしどうしても病院に行きたくない場合は、個人輸入代行業者を通じ、日本でも処方されているSGLT2阻害薬「フォシーガ」を購入するという方法も。

SGLT2阻害薬は血液中の糖を積極的に尿と一緒に排出するという画期的な糖尿病治療薬。

従来の経口薬のように細胞内に糖を取り込むインスリンに頼ることなく血糖値を下げられるため、1日250~400kcal相当のダイエット効果があることが複数の臨床試験で実証されています。

それだけに健康な人がダイエット目的で使用する事例が後を絶たないほど。

本来であれば医療機関を受診し、適切な治療と指導を受けたうえで治療薬を処方してもらうべきところ。しかしそれができないようであれば、最低でもフォシーガなどで血糖値や体重の低減を図ってほしいと感じています。

SGLT2阻害薬フォシーガの詳細

糖尿病の治療薬・健康食品

あわせて読みたい関連記事