肥満のタイプで違う糖尿病のリスク
肥満の種類は1つではない
多くの方は「肥満」というと「脂肪がブヨブヨで締まりのない身体」というイメージで、確かにその解釈に間違いはありません。
しかし肥満には大きく分けて「リンゴ型」と「洋ナシ型」の2種類があり、見た目の特徴も違えば病気のリスクも違ってきます。
「リンゴ型」は腸の周りに内臓脂肪が溜まりお腹周りが出っ張ってくる状態の事を指し中年男性に多く、一方の「洋ナシ型」は下腹部からお尻、太ももにかけて皮下脂肪が付くタイプで中年女性に多い肥満となります。
これら肥満の違いは糖尿病をはじめとした病気にどういった影響を与えるのでしょうか?
糖尿病リスクを増大させるリンゴ型肥満
リンゴ型肥満は「内臓脂肪型肥満」とも呼ばれ、腸の周り…筋肉と内臓の間に付く脂肪が増えるタイプの肥満で、洋ナシ型の肥満に比べ糖尿病や高血圧などの生活習慣病リスクが高まる危険な肥満です。
なぜ内臓脂肪型肥満が危険なのかというと、内臓脂肪は脂肪細胞が肥大する形で肥満となり、肥大した脂肪細胞からはインスリン抵抗性を高める「腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)」や「遊離脂肪酸」などが分泌されるからです。
肥満は過度な食事を繰り返してなることから膵臓は過食による血糖値上昇を抑えるためインスリンを必死に分泌しており、それが原因で疲弊しインスリンを分泌する能力が落ちている場合も多いので、インスリンの作用が弱まる内臓脂肪型肥満だと相乗効果で糖尿病リスクが大幅に上昇するのです。
またこのインスリン抵抗性は高血圧や高脂血症の原因にもなるのでメタボリックシンドロームになるリスクも非常に高くなります。
このように様々な病の要因なるリンゴ型肥満ですが、内臓脂肪は皮下脂肪より落としやすいという特徴があるので、食生活の見直しや運動を取り入れ一刻も早くダイエットに取り組むようにして下さい。
■内臓脂肪は皮下脂肪より落としやすい特徴がある
女性の多い洋ナシ型肥満
洋ナシ型肥満は内臓脂肪が多いリンゴ型肥満と異なり皮下脂肪が多くなり、脂肪が付く場所も下腹部からお尻~太ももにかけてで下膨れのように見えることから「洋ナシ型」と呼ばれます。
女性の肥満に多い傾向にあり、脂肪細胞が肥大する内臓脂肪と異なり皮下脂肪は脂肪細胞が増殖する特徴があるため、インスリン抵抗性を高める遊離脂肪酸などの分泌は少なく内臓脂肪に比べ生活習慣病のリスクが少ないという特徴があります。
一方で内臓脂肪より落としづらくダイエットをしても思うように減っていかない場合もあるやっかいさも。
洋ナシ型肥満は女性に多いものの、閉経後はリンゴ型肥満になりやすくなる場合もあり、また過度の肥満では内臓脂肪も皮下脂肪も多い最悪の状況に陥りますので、洋ナシ型だからと安心せずダイエットを行うようにして下さい。
■女性に多い洋ナシ型ではあるものの、閉経後などはリンゴ型になる場合も
リンゴ型でも洋ナシ型でも肥満にメリットはない
リンゴ型肥満に比べ糖尿病をはじめ高血圧や高脂血症のリスクが少ない洋ナシ型肥満ですが、だからといって健康に悪影響がないわけでは決してありません。
洋ナシ型肥満でも肥満度が増せば増すほどメタボリックシンドロームのリスクは高まり、また心疾患や脳卒中といった命に関わる病気に発症率も高くなります。
肥満である事のメリットは喫煙同様何一つありませんので、もし今現在太っているのであれば早急にダイエットに取り組むべきですし、太っていないのであればこれからもその体型を維持できるよう努力するべきです。
肥満は男性・女性としての魅力を大きく損ねるという面もあるので、健康や魅力を取り戻す、維持するためにも食生活の見直し運動を取り入れるようにして下さい。
血糖値を下げダイエット効果もあるSGLT2阻害薬
これといった自覚症状がないままじわじわと血管を蝕み続ける糖尿病。それだけに健康診断などで血糖値やHbA1cの高さを指摘されても放置している人は驚くほど多く存在するのが実情。
糖尿病治療は本来であれば食事療法と運動療法を軸に、補助としてインスリン注射や経口薬を用い血糖値を正常値もしくはそれに近い数値での安定を目指します。
そうすることで体重の減少・維持と血糖値・HbA1cの効果が望めるから。しかし現実問題として食事制限や運動療法は決して楽なものではなく、またそれを一生続けなければならないという終わりなき苦行でもあります。
そういった背景に加え、受診するのが面倒くさい、行くたびに医師に「痩せなさい」と言われる…などの理由から病院から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか。
しかし、当サイトで口を酸っぱくして述べているように、糖尿病は様々な合併症を引き起こす極めて恐ろしい病気です。血糖値が高い状況はもちろん、糖尿病リスクを高める肥満も放置するべきではありません。
もしどうしても病院に行きたくない場合は、個人輸入代行業者を通じ、日本でも処方されているSGLT2阻害薬「フォシーガ」を購入するという方法も。
SGLT2阻害薬は血液中の糖を積極的に尿と一緒に排出するという画期的な糖尿病治療薬。
従来の経口薬のように細胞内に糖を取り込むインスリンに頼ることなく血糖値を下げられるため、1日250~400kcal相当のダイエット効果があることが複数の臨床試験で実証されています。
それだけに健康な人がダイエット目的で使用する事例が後を絶たないほど。
本来であれば医療機関を受診し、適切な治療と指導を受けたうえで治療薬を処方してもらうべきところ。しかしそれができないようであれば、最低でもフォシーガなどで血糖値や体重の低減を図ってほしいと感じています。
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