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糖尿病の薬物療法ってどんな薬を使うの?


進行した糖尿病には薬物療法も

糖尿病の薬物療法 糖尿病治療の基本は食事療法や運動療法など自身の生活習慣や食生活を見直し厳格な血糖コントロールを行う事です。

しかしそれだけでは十分に血糖値が下がらない場合や、医療機関で糖尿病と診断された時点で高い血糖値やHbA1cの値を示している場合は従来の食事療法や運動療法に加え薬物療法を併用する事になります。

その場合の明確な基準は医療機関や医師ごとに違いますが、初回の診断時に血糖値が200mg/DL以上あったりHbA1cが8.0%を超えるなど明らかに危険なレベルである場合は運動療法や食事療法の結果を待たずに薬物療法やインスリン注射を行う場合があります。

薬を使わなければならない状況というのは自力での血糖コントロールが難しい状況でもあり、出来ればお世話になりたくない糖尿病治療薬。

どういった薬があって、どういった状況で使用するのかなど気になる点を少し掘り下げていきたいと思います。

糖尿病治療に使われる経口薬

糖尿病の薬物療法は大きく分けて経口薬とインスリン注射の2つがあり、ここでは経口薬について詳しく取り上げていきます。

■スルホニル尿素薬(SU薬)

もっとも多く使われる糖尿病の経口薬で、膵臓のランゲルハンス島β細胞を刺激しインスリンの分泌を促す薬で、代表的なものに「ダオニール」「オイグルコン」「グリミクロン」などがあります。

長時間作用し、またインスリンの分泌を促すという性質上しっかりと食事管理をしておかないと低血糖を引き起こす恐れがあります。

SU薬は長年の実績がある一方、近年はDPP-4阻害薬など高性能な薬の登場によって単体で使用される頻度は減る傾向にあり、後述のBG薬と併用する事も多くなっています。

■ビグアナイト薬(BG薬)

BG薬の作用は肝臓での糖の生成(糖新生)を抑制すると共に腸からの糖の吸収も抑制、肝臓や筋肉でのブドウ糖の取り込みを促進しインスリン抵抗性を改善する薬で、代表的なものは「メデット」「メトグルコ」など。

SU薬と違い直接インスリンを増やす作用ではないため低血糖の症状を起こしにくく、SU薬との相性も良いので、これらの併用が一般的になっており広く使われる糖尿病の経口薬。

■α-グルコシダーゼ阻害剤(α-GI薬)

小腸で糖を分解し吸収を促すα-グルコシダーゼという酵素の働きを抑える薬で、これによって食後の血糖値上昇を緩やかなものにします。

代表的なものは「グルコバイ」「アカルボース」「ベイスン」など。

あくまでも糖の吸収を抑制するための薬であるため効き目はマイルドで低血糖の可能性はほとんどなく、食後高血糖(隠れ糖尿病)にも有効。

■チアゾリジン薬

男性に多い内臓脂肪型肥満では脂肪細胞の肥大化によってインスリン抵抗性が生じインスリンの効きが悪くなってしまうのですが、チアゾリジン薬はそんな肥大化した脂肪細胞を分化させインスリン抵抗性を改善する薬で「アクトス」などが知られています。

脂肪細胞を分化させるため太りやすくなる傾向があり、またむくみや心疾患などの副作用も報告されているなど比較的副作用の多い薬でもあります。

■速効型インスリン分泌促進薬

SU薬と同じく膵臓のランゲルハンス島β細胞に働きかけインスリンの分泌を促す効果があり、その名の通り効果が出るまでの時間が短く、その効果も3時間程度と短いものになっています。「スターシス」「グルファスト」「ファスティック」など。

服用後10~15分程度で効いてくるため食事の直前に飲む薬となっており、SU薬のように長時間効き続けるものではないため適切な服用を行っていれば低血糖に陥る可能性は低くなります。

■DPP-4阻害薬

日本では2009年から使われだした新しい薬で、SU薬同様インスリンの分泌を促すものですが、DPP-4阻害薬は膵臓に作用するのではなくインスリン分泌を促すインクレチンというホルモンを分解するDPP-4の働きを阻害する事によってインスリンを増やす作用があります。

インクレチンは食後の血糖値上昇に反応して分泌され、血糖値が下がるに従って分泌されなくなるため食後の高血糖状態ではインスリンを多く分泌、空腹時には作用しないという作用を持ち低血糖の可能性も低い事から現在の糖尿病治療薬の主流になっています。

主なものは「グラクティブ」「ジャヌビア」「ネシーナ」など。

■SGLT2阻害薬

SGLT2阻害薬は2014年に認可された非常に新しい糖尿病治療薬で、その作用もこれまでの治療薬にはないものになっています。

SGLT2は血中のブドウ糖を尿になる前に再吸収する働きを持っているのですが、SGLT2阻害薬を服用する事でその働きを抑制し糖を尿で排出させる事によって血液中のブドウ糖濃度を下げる事ができます。

いわば「積極的に尿糖にして血糖値を下げよう」という薬なのです。

SU薬やインスリン注射などと併用する事によって重大な低血糖を起こす恐れがあり、また頻尿による脱水症状などの副作用が報告されていますおり数件の死亡例も。(→相次ぐSGLT2阻害薬の副作用による死亡例

代表的な薬に「スーグラ」「フォシーガ」「ルセフィ」などがあります。

糖尿病治療薬は必ず用法用量を守る

糖尿病の経口薬は血糖値を下げる作用があるため間違った服用をすると低血糖などを引き起こす可能性があるため薬の用法用量をしっかり守る事が何より重要になります。

特にSGLT2阻害薬は長時間にわたってインスリンの分泌を促すSU薬や他の疾患による利尿薬との併用は厳重な注意が必要で、死亡例も報告されています。

糖尿病治療薬を飲めば労せず血糖値が下がる事もあり、中には食事療法や運動療法を疎かにする方もいらっしゃいますが、薬を飲み続ければ効きが弱くなったり他の弊害が起きる可能性が高まってくるでしょう。

糖尿病治療の食事療法と運動療法で血糖コントロールを行う事が基本で、薬を飲んでいるからといってこれを行わなければ遠くない将来合併症や他の疾患に苦しむ事になってしまいます。

あくまでも薬は血糖コントロールの“補助”である事を忘れないで下さい。


血糖値を下げダイエット効果もあるSGLT2阻害薬

血糖値降下・ダイエット効果があるSGLT2阻害薬フォシーガ これといった自覚症状がないままじわじわと血管を蝕み続ける糖尿病。それだけに健康診断などで血糖値やHbA1cの高さを指摘されても放置している人は驚くほど多く存在するのが実情。

糖尿病治療は本来であれば食事療法と運動療法を軸に、補助としてインスリン注射や経口薬を用い血糖値を正常値もしくはそれに近い数値での安定を目指します。

そうすることで体重の減少・維持と血糖値・HbA1cの効果が望めるから。しかし現実問題として食事制限や運動療法は決して楽なものではなく、またそれを一生続けなければならないという終わりなき苦行でもあります。

そういった背景に加え、受診するのが面倒くさい、行くたびに医師に「痩せなさい」と言われる…などの理由から病院から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか。

しかし、当サイトで口を酸っぱくして述べているように、糖尿病は様々な合併症を引き起こす極めて恐ろしい病気です。血糖値が高い状況はもちろん、糖尿病リスクを高める肥満も放置するべきではありません。

もしどうしても病院に行きたくない場合は、個人輸入代行業者を通じ、日本でも処方されているSGLT2阻害薬「フォシーガ」を購入するという方法も。

SGLT2阻害薬は血液中の糖を積極的に尿と一緒に排出するという画期的な糖尿病治療薬。

従来の経口薬のように細胞内に糖を取り込むインスリンに頼ることなく血糖値を下げられるため、1日250~400kcal相当のダイエット効果があることが複数の臨床試験で実証されています。

それだけに健康な人がダイエット目的で使用する事例が後を絶たないほど。

本来であれば医療機関を受診し、適切な治療と指導を受けたうえで治療薬を処方してもらうべきところ。しかしそれができないようであれば、最低でもフォシーガなどで血糖値や体重の低減を図ってほしいと感じています。

SGLT2阻害薬フォシーガの詳細

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