入浴を上手に使って血糖コントロールを
馬鹿に出来ないお風呂のリラックス効果
お風呂は人によって「面倒くさいもの」という方もいればリラックスタイムとして活用している方もいらっしゃると思います。
前者は男性に、後者は女性に多いイメージがあり、一人暮らしの男性なんかだとシャワーのみで湯船には浸からないという方も多いのではないでしょうか?
しかしお風呂にはリラックス効果や血行促進効果、インスリン分泌を促す効果など様々なメリットがあり、糖尿病の不安がある方は上図に活用したいところです。
そんな入浴のメリットを詳しく紹介していきます。
ぬるめのお湯に浸かって副交感神経優位に
湯船に浸かる最大のメリットはリラックス効果にあると言っても過言ではありません。
強いストレスや緊張などに晒されると交感神経が作用しアドレナリンやコルチゾールなどが分泌、体は不測の事態に備えエネルギー源である血液中のブドウ糖濃度を高める事が分かっています。
それとは逆にストレスが解消されリラックス状態など副交感神経が優位になると膵臓からインスリンが分泌され血糖値を下げるよう働きかけます。
湯船にゆっくりと浸かる事は体のリラックスを促し高血糖の改善が期待できるので、血糖値が気になる方はシャワーではなく出来るだけ湯船に浸かるようにして下さい。
ただし、42度を超えるような熱めのお湯の場合交感神経が刺激されたり、入った直後に血圧が上昇したりするため40度くらいまでのぬるめのお湯を用い、また肺や心臓への負担を考慮すると半身浴がもっとも効果的とされています。
熱めのお湯が好きという方もいらっしゃるとは思いますが、思いのほか体に負担をかけることになるので、ぬるめのお湯でじっくり体を温めるようにして下さい。
■お湯は40度以下のぬるめで心臓や肺に負担をかけない半身浴が理想とされる
入浴の血行促進効果とカロリー消費
お風呂に入ると体が温まり血管が拡張し全身の血行が良くなります。
糖尿病による高血糖の状態では動脈硬化が進み血流は悪くなりますが、入浴ではそれを改善する効果が期待できます。
血行が良くなり新陳代謝も活発になるため入浴するだけでも多少のカロリー消費が期待でき、その量は30分で80~100kcal程度と決して多くないもののエネルギーが消費される事による血糖値の減少も同時に期待できます。
ただし入浴は汗をかくため体の水分が少なくなり血がドロドロになりがちなので、入浴の効果を最大限に活かすためにもお風呂の前にコップ一杯ほどの水を飲むようにして下さい。
また、熱いお湯だと入浴直後に血圧が上昇し血管に負担をかけるので、上記のリラックス効果も含めてぬるめのお湯を推奨します。
■脱水症状を防ぐためにも入浴前にコップ一杯程度の水分を摂っておく
食事前にお風呂に入るとインスリンが分泌される
あまり知られていない事ですが、予防医療などに取り組む青野治朗医師が行った実験では食事前の入浴によってインスリンの分泌量が増えるという結果が示されています。
右図のように食事前に入浴するとインスリン分泌量は1時間後には有意に差が出ており、その分泌は2時間後にピークを迎えます。
これは湯船に浸かるだけではなくシャワーでも有効で、これを行う事によってインスリン分泌が増える理由は体が温められる事によって消化活動が活発化する事だと見られています。
この事から食事前にサッとシャワーを浴びるだけでも食後の高血糖が抑えられる事になり、糖尿病予防や治療の観点で非常に有効です。
「お風呂は食事の後」という方も多いとは思いますが、血糖コントロールの観点から入浴時間を見直してみてはいかがでしょうか。
正しい入浴で上手に血糖コントロール
入浴は上手に行えば血糖値の改善のみならずストレス解消やカロリー消費、血行促進など様々なメリットがあります。
しかし一方で高齢者を中心に入浴時の事故も多く、間違った入浴法はメリットどころかデメリットばかりが目立つ結果にもなりかねません。
体に負担をかける入浴というのは…
- ■水圧による心臓などへの負担
- ■血圧の急激な変化
- ■脱衣所と浴室の温度差
これらを回避するためには…
- ■脱衣所と浴室の温度差をなくす
- ■半身浴
- ■お湯の温度は38~40度
- ■長時間入浴しない
これらを行う事によって急激な血圧の変化を抑えられ、またストレスも大幅に減らせる事から糖尿病にとっても非常に有効です。
正しい入浴を身に付け心身ともにリラックスをし血糖値改善に役立てて下さい。
血糖値を下げダイエット効果もあるSGLT2阻害薬
これといった自覚症状がないままじわじわと血管を蝕み続ける糖尿病。それだけに健康診断などで血糖値やHbA1cの高さを指摘されても放置している人は驚くほど多く存在するのが実情。
糖尿病治療は本来であれば食事療法と運動療法を軸に、補助としてインスリン注射や経口薬を用い血糖値を正常値もしくはそれに近い数値での安定を目指します。
そうすることで体重の減少・維持と血糖値・HbA1cの効果が望めるから。しかし現実問題として食事制限や運動療法は決して楽なものではなく、またそれを一生続けなければならないという終わりなき苦行でもあります。
そういった背景に加え、受診するのが面倒くさい、行くたびに医師に「痩せなさい」と言われる…などの理由から病院から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか。
しかし、当サイトで口を酸っぱくして述べているように、糖尿病は様々な合併症を引き起こす極めて恐ろしい病気です。血糖値が高い状況はもちろん、糖尿病リスクを高める肥満も放置するべきではありません。
もしどうしても病院に行きたくない場合は、個人輸入代行業者を通じ、日本でも処方されているSGLT2阻害薬「フォシーガ」を購入するという方法も。
SGLT2阻害薬は血液中の糖を積極的に尿と一緒に排出するという画期的な糖尿病治療薬。
従来の経口薬のように細胞内に糖を取り込むインスリンに頼ることなく血糖値を下げられるため、1日250~400kcal相当のダイエット効果があることが複数の臨床試験で実証されています。
それだけに健康な人がダイエット目的で使用する事例が後を絶たないほど。
本来であれば医療機関を受診し、適切な治療と指導を受けたうえで治療薬を処方してもらうべきところ。しかしそれができないようであれば、最低でもフォシーガなどで血糖値や体重の低減を図ってほしいと感じています。
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