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高血糖の記憶 身体に刻まれる糖尿病の爪痕


  血糖値が下がれば安心というわけではない

身体に刻まれる高血糖の記憶

病院で糖尿病もしくは血糖値が高いと診断されると、食事・運動療法や薬物療法などを用いて血糖値を下げるよう努めることになります。

それが功を奏し血糖値やHbA1cが問題のないレベルまで下がれば糖尿病によって引き起こされる様々な合併症にリスクは大幅に減ることになるでしょう。

しかし血糖値やHbA1cが正常範囲に収まったからといって血糖値が高い時期に血管に与え続けたダメージは消えることがない…近年それが徐々に分かってきており、これは「高血糖の記憶」と呼ばれるように。

  血糖値が下がっても血管へのダメージは消えない

例えばタバコは「百害あって一利なし」と言われるくらい体に非常に悪いもので、長年吸い続ければ様々な悪影響を及ぼします。

しかしきっちりと禁煙すれば長い時間をかけて徐々に体のダメージは回復されるため病気のリスクは減っていき、10~15年ほどで非喫煙者と大きく変わらないレベルにまで回復します。

お酒を飲んでダメージを受ける肝臓も同様で、多量の飲酒が続けばγ-GTPなど肝臓に関する血液の数値は目に見えて悪化するものの、ある程度のところで禁酒や節酒に取り組めば肝臓は本来の働きを取り戻しこれらの数値は急激に改善します。

血糖値やHbA1cも生活習慣や食生活を改善し、必要とあらば薬物やインスリンを用いることによって改善し、良好な血統コントロールが行えれば正常な人と同じくらいの数値を維持することも十分可能です。

しかしそれは数値の上での話であり、これまで血管に与えたダメージは無くなりません。

血液中の糖濃度が高い状態が続くと血管の内皮は傷つき、そこにLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が入り込んだり、それを処理するためのマクロファージの死骸が溜まり「プラーク」が形成され、これによって内皮はどんどん厚くなり動脈硬化が進みます。

そしてこの動脈硬化は一度なってしまうと基本的に改善する見込みはほとんどないため、どんなに血糖値やHbA1cを改善してもこれまでの動脈硬化に伴う合併症のリスクが下がることはないのです。

 ■一度動脈硬化になってしまった血管は元に戻らない
 ■高血糖が改善しても動脈硬化による合併症のリスクは減らない

  高血糖の記憶にはどう対応すればいいのか

これまで書いてきた通り高血糖によって傷つき厚くなってしまった血管の内皮は、その後の血糖コントロールによって血糖値やHbA1cを正常範囲に収めても回復することは期待できないため、体に刻まれた高血糖の爪痕として「高血糖の記憶」と呼ばれます。

現代の医療ではプラークの蓄積によって血管の内皮が厚くなるアテローム動脈硬化を改善・治す方法は確立されておらず、行えるのは危険なほど狭くなってしまった場所にステントやバルーンを用いて血管をピンポイントに広げることくらいでしょうか。

改善させる方法がないためそれ以上悪化させないことが何より重要になり、もし今現在高血糖の状態にあるのであれば1日でも早い治療や対策が必要になります。

高血糖の状態を作らない。

高血糖の記憶を回避するには日頃の予防が大事になりますので、「動脈硬化は治らない」ということを肝に銘じ、合併症のリスクを少しでも減らすための対策を怠らないようにして下さい。


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