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肥満の糖尿病リスクは太ってない人の5倍


糖尿病リスクを高める肥満

肥満は万病の元 肥満…いわゆる「デブ」が様々な面において体に悪いのは誰もが理解している事と思います。

肥満は高脂血症や高血圧などを併発するメタボリックシンドロームの大きな要因になりますし、何より糖尿病のリスクを有意に高め、発症率は肥満でない方の5倍と言われています。

なぜ肥満だと糖尿病のリスクが高くなってしまうのでしょうか?

そして糖尿病のみならず肥満によってリスクが高まる様々な病気についても触れていきますので、肥満の方や肥満になりたくない方の注意喚起になれば幸いです。

肥満が糖尿病を引き起こすメカニズム

肥満が糖尿病のリスクを大きく高める一番の原因は食生活にあります。

太るという事は必要以上のカロリーや糖質を摂取している事に他ならず、摂り過ぎた食事によって体内では血液中にどんどんブドウ糖が流れ込み、それを細胞に取り込み血糖値を下げるために膵臓はインスリンを必死に分泌します。

それが続くと膵臓は疲労しインスリンを作り出す能力が低下し、次第に血糖値を下げられなくなっていきます。

それと同時に肥大した脂肪組織からはインスリン抵抗性を高めインスリンの作用を弱める「腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)」や「遊離脂肪酸」などが分泌されるようになり、膵臓の疲弊と相まって糖尿病のリスクを増大させるのです。

また、肥満の方は運動しない、体を動かす事を嫌う傾向にあり、インスリンの作用を高める適度な運動が行われない事も糖尿病になりやすい一因になっていると推測されます。

■肥満が糖尿病リスクを高める最大の要因は食生活に問題があるから
■肥満の原因である食べすぎは膵臓を疲弊させインスリンの作用も弱める

糖尿病だけじゃない肥満がもたらすリスク

肥満は糖尿病のリスクを5倍に高めるといわれていますが、肥満によってリスクが高まるのは糖尿病だけではありません。

メタボリックシンドロームの要因の1つである高血圧のリスクは3.5倍、痛風のリスクは2倍など肥満がもたらすリスクは多岐に渡り、がん心疾患脳卒中といった命に関わる病気を発症する可能性も高まります。

特に後述するBMI(肥満指数)が30を超える場合は様々な疾患の罹患率に加え死亡率も有意に高くなる事が明らかになっています。

肥満は認知症のリスクを高めるとの調査結果もあり、妊婦であれば胎児に障害が出る可能性が高まる妊娠糖尿病になる恐れもあります。

また病気ではないですが、太っていると男性・女性としての魅力を大きく損なうという面も。

肥満はタバコ同様「百害あって一利なし」なのです。

■肥満は様々な病気のリスクを高め、BMIが30を超えると死亡率も高くなる
■男性として、女性としての魅力を大きく損ねるのも痛いところ

肥満かどうかを測るBMI(肥満指数)とは

一般的にデブかどうかは人の主観によって決められるため、肥満の基準は人それぞれと言っても過言ではありませんが、肥満かどうかを客観的に測る方法として最も普及しており国際基準でもある「BMI(肥満指数)」という数値があります。

このBMIの基準では以下のようになっており…

BMI 判定
22.0 標準体重
18.5未満 やせ
18.5以上25.0未満 普通体重
25.0以上30.0未満 肥満1度 肥満
30.0以上35.0未満 肥満2度
35.0以上40.0未満 肥満3度
40.0以上 肥満4度

そしてそのBMIの計算式は以下のようになっており、仮に身長170cm体重70kgの方のBMIを量るとすると…

■BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))
 70kg÷(1.70m×1.70m)=24.2

標準であるBMI22.0から基準体重を算出する方法で170cmの方の標準体重を求めると…

■標準体重=((身長(m)×身長(m))×22.0
 (1.70m×1.70m)×22.0=63.5kg

このように170cmの方の場合70kgは普通体重の範囲内ですが、BMI22.0から算出した170cmの標準体重は63.5kgとなります。

ただ、太っていないが筋肉質の人などはBMIが基準をオーバーする事もあるので、BMIは絶対的なものではなく目安だと思ってください。

■肥満を測る指標は国際基準であるBMI(肥満指数)を用いる
■BMIは男女共通で25.0を超えると肥満とされる
■筋肉質な方はBMIが高めに出る

様々な病を引き起こす肥満を予防・改善するために

肥満は糖尿病のみならず様々な病気のリスクを高める万病の元です。

日本においては成人男性の約3割、成人女性の約2割が肥満とされ、肥満が良くない事は誰もが分かっていてもなかなか痩せられない…という現実があります。

肥満になっている人の傾向として「今食べたい欲求に負けてしまう」という特徴がありますが、そういった方は将来の様々な病に苦しめられる事やデブに対する周囲の厳しい目を今一度再確認してみて下さい。

また、「そんなに食べていないのに太る」と言う方も非常に多いのですが、摂取カロリーと消費カロリーのバランスが取れていれば太る事はなく、肥満の方は「自称『普通の量』が普通でない」「極端に動かない」といった何かしらの原因が必ずあります。

本気で肥満を何とかしたいと考えているのであれば、「ライ○ップ」みたいな金儲けのダイエットではなく、病院などの生活指導を受け、理想的な食生活や生活習慣はどういったものかをプロから学び、それを実践する事が望ましいでしょう。

糖尿病に関しては過去の肥満歴も影響すると言われており、いかに肥満である時間を短くするかが重要になります。

ご自分の将来のため、ご家族のためにも肥満の解消に取り組むようにして下さい。


血糖値を下げダイエット効果もあるSGLT2阻害薬

血糖値降下・ダイエット効果があるSGLT2阻害薬フォシーガ これといった自覚症状がないままじわじわと血管を蝕み続ける糖尿病。それだけに健康診断などで血糖値やHbA1cの高さを指摘されても放置している人は驚くほど多く存在するのが実情。

糖尿病治療は本来であれば食事療法と運動療法を軸に、補助としてインスリン注射や経口薬を用い血糖値を正常値もしくはそれに近い数値での安定を目指します。

そうすることで体重の減少・維持と血糖値・HbA1cの効果が望めるから。しかし現実問題として食事制限や運動療法は決して楽なものではなく、またそれを一生続けなければならないという終わりなき苦行でもあります。

そういった背景に加え、受診するのが面倒くさい、行くたびに医師に「痩せなさい」と言われる…などの理由から病院から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか。

しかし、当サイトで口を酸っぱくして述べているように、糖尿病は様々な合併症を引き起こす極めて恐ろしい病気です。血糖値が高い状況はもちろん、糖尿病リスクを高める肥満も放置するべきではありません。

もしどうしても病院に行きたくない場合は、個人輸入代行業者を通じ、日本でも処方されているSGLT2阻害薬「フォシーガ」を購入するという方法も。

SGLT2阻害薬は血液中の糖を積極的に尿と一緒に排出するという画期的な糖尿病治療薬。

従来の経口薬のように細胞内に糖を取り込むインスリンに頼ることなく血糖値を下げられるため、1日250~400kcal相当のダイエット効果があることが複数の臨床試験で実証されています。

それだけに健康な人がダイエット目的で使用する事例が後を絶たないほど。

本来であれば医療機関を受診し、適切な治療と指導を受けたうえで治療薬を処方してもらうべきところ。しかしそれができないようであれば、最低でもフォシーガなどで血糖値や体重の低減を図ってほしいと感じています。

SGLT2阻害薬フォシーガの詳細

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