適度な運動の基本はウォーキングから
運動療法は継続する事が大事
「病院で医師に糖尿病を告げられたから、運動療法やダイエットを取り入れよう」
そう思い立つ事は非常に良い事なのですが、こういった方々の中にいきなり強い運動を取り入れようとする方がいらっしゃいます。
弱めでも強めでも運動をする事、しようとする事はしない場合に比べてプラスである事は間違いないものの、今まで運動とは無縁で完全になまっている方がいきなりジョギングを始めたりジムに通ったり…というのは怪我の元にもなりかねませんし、何より長続きしない可能性が高くなります。
たまに街中でいかにも普段走っていなさそうな服装とフォームで苦しそうに走っている方を見かけますが、あれではすぐにやめてしまうでしょう。
強めの運動をした方が短期間で筋肉が付き多くのカロリーを消費するのは確かではあるものの、継続できなければ意味がありませんので、まずは軽いウォーキングから取り入れるようにしましょう。
ウォーキングの効果は?
近年は健康系の情報番組などが充実しており、ウォーキングが体に良い事は多くの方がご存知だと思いますが、具体的にどう良くて糖尿病にはどういった効果が見込めるのでしょうか?
ウォーキングはただ歩くだけですから大きな効果はないと感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、歩く事は思った以上に全身を使うもので、腕をしっかり振りながら歩けばそれだけでしっかりカロリーを消費し全身の筋肉量増加が期待できます。
筋肉は基礎代謝と密接に関わっており、筋肉量が増える事はそれだけで脂肪や糖を燃えやすくする働きが期待できますし、食事量を増やさずに行えればダイエットにも繋がるのです。
糖尿病という観点から見るとさらにメリットは増え、食事の後に行う事で血液中の糖を効率よく消費でき、また有酸素運動を継続的に行う事でインスリン感受性が高まりインスリン自体の効きも良くなる事が分かっています。
無理のない運動で非常に多くのメリットを享受できるのがウォーキングなのです。
ちなみに、ウォーキングの消費カロリーは体重や歩くスピードにもよりますが、体重60kgの方が30分行って100~150kcalくらいになります。
■消費カロリーは体重60kgで30分100~150kcaほどと控えめ
上手なウォーキングの行い方
ウォーキングはそれだけで筋肉量の増加やカロリー消費など様々な効果があるため、基本的にはいつ行っても構いません。
ただ糖尿病という観点で見た場合最も効率的なのは食後30分くらいから始めるのがよく、その理由は食後30分ほどで血糖値が上昇するからです。
血糖値が上昇しだす食事の30分~1時間後に始めれば血液中に増えたブドウ糖を効率よく消費できるので血糖値の過剰な上昇を抑えると共に速やかな減少を促し、またインスリンを分泌する膵臓の負担を減らす事ができます。
ウォーキングは1日30分以上行う事が理想的とされ、具体的な方法は…
- ■腕を上げしっかり振る
- ■背筋をしっかり伸ばして前を見据える
- ■無理がない範囲で早歩きにする
- ■30分歩き続けるのが辛い場合は10分×3回でも効果がある
これを行う事で体に負担をかけずしっかりとした運動を行えます。
可能であれば朝昼晩の食後に20~30分歩くのがベストですが、時間的な制約もありますし無理をすると長続きしないので、無理のない範囲で時間を見つけ1日の合計で30分ほど歩くようにして下さい。
■可能な限り腕を振り早歩きをする事でより効果的に
■30分連続で歩くのが辛い場合は10分を3回に分けて行うようにする
最も続けやすい有酸素運動であるウォーキング
生活に運動を取り入れる事は糖尿病治療において非常に有効であるものの、今まで運動をしてこなかった方にとっては少し敷居が高いのかもしれません。
そんな中ウォーキングは手軽で体に大きな負担をかける事もないので最も続けやすい運動といえますが、それでも運動嫌いの人にとっては辛いと感じる方もいらっしゃるでしょう。
そういった場合、一人で行わないというのも長く続けるコツになります。
- ■犬を飼っているなら自分が率先して散歩に連れて行く
- ■配偶者や恋人がいるならお互いの健康のため一緒にウォーキングする
- ■同じく健康に不安のある方や健康志向の友人などを誘う
- ■毎回コースを変える、目的地を決めるなどの工夫をする
ウォーキングは誰にとっても無理がなく、またジョギングやサイクリングと違い歩きながら会話をしやすいため他人を誘いやすいという特徴があります。
自分ひとりでは続ける自信がなくても、誰かと一緒ならコミュニケーションがてら続けやすくなりますので、ぜひ誰かを誘ってみて下さい。
ただ、ウォーキングのカロリー消費量は決して多くはないので、「ウォーキングをやってお腹がすいたからお菓子を…」では本末転倒になる事を忘れないで下さい。
血糖値を下げダイエット効果もあるSGLT2阻害薬
これといった自覚症状がないままじわじわと血管を蝕み続ける糖尿病。それだけに健康診断などで血糖値やHbA1cの高さを指摘されても放置している人は驚くほど多く存在するのが実情。
糖尿病治療は本来であれば食事療法と運動療法を軸に、補助としてインスリン注射や経口薬を用い血糖値を正常値もしくはそれに近い数値での安定を目指します。
そうすることで体重の減少・維持と血糖値・HbA1cの効果が望めるから。しかし現実問題として食事制限や運動療法は決して楽なものではなく、またそれを一生続けなければならないという終わりなき苦行でもあります。
そういった背景に加え、受診するのが面倒くさい、行くたびに医師に「痩せなさい」と言われる…などの理由から病院から足が遠のいている人も多いのではないでしょうか。
しかし、当サイトで口を酸っぱくして述べているように、糖尿病は様々な合併症を引き起こす極めて恐ろしい病気です。血糖値が高い状況はもちろん、糖尿病リスクを高める肥満も放置するべきではありません。
もしどうしても病院に行きたくない場合は、個人輸入代行業者を通じ、日本でも処方されているSGLT2阻害薬「フォシーガ」を購入するという方法も。
SGLT2阻害薬は血液中の糖を積極的に尿と一緒に排出するという画期的な糖尿病治療薬。
従来の経口薬のように細胞内に糖を取り込むインスリンに頼ることなく血糖値を下げられるため、1日250~400kcal相当のダイエット効果があることが複数の臨床試験で実証されています。
それだけに健康な人がダイエット目的で使用する事例が後を絶たないほど。
本来であれば医療機関を受診し、適切な治療と指導を受けたうえで治療薬を処方してもらうべきところ。しかしそれができないようであれば、最低でもフォシーガなどで血糖値や体重の低減を図ってほしいと感じています。
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