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糖尿病性腎症 末期になると人工透析の恐れも


  腎臓が侵される糖尿病

怖い糖尿病性腎症 糖尿病性神経障害糖尿病性網膜症に続いて最後に取り上げる3大合併症が「糖尿病性腎症」です。

糖尿病性腎症は3大合併症の中では最も発症が遅い傾向にありますが、重症化すると人工透析に繋がり生命の危機に直結する病気でもあります。

腎臓機能が低下し人工透析を受けている方の4割以上が糖尿病性腎症を患った方で、人工透析を受ける原因の第1位となっています。

1回の人工透析で4~5時間ほどの時間を要し、腎機能のほとんどが失われればそれを週3回ほど行わなければならず生活の質を著しく低下させてしまいます。

そんな糖尿病性腎症の原因や治療法、予防法などを詳しく解説していきます。

  糖尿病性腎症はどうして起きるのか?

糖尿病は膵臓のインスリン分泌能が低下したりインスリンの感受性が落ちてしまったりして上手く血糖値を下げられず高血糖の状態が続く病気です。

糖尿病によって血液中のブドウ糖濃度が高い状態が続くと血管を傷つけ、そこにLDLコレステロールなどが蓄積しプラークを形成するアテローム性動脈硬化などを引き起こし血管が狭まってしまいます。

そうなるとちょっとした血栓で血管は詰まってしまい、それは毛細血管から起こり始めます。

腎臓は「糸球体」という毛細血管の集まりで、ここで血液をろ過し老廃物などを尿として排出する働きを担っており、体中の血液は腎臓の働きによって常にきれいな状態を保つ事ができるのです。

しかし長年の高血糖状態によって血管にダメージを与え続けると毛細血管である腎臓の糸球体は次第に機能を失い始め、腎臓の機能が徐々に低下する事になります。

そうなると腎臓のろ過機能は落ち次第に尿にたんぱく質が漏れ出すようになり、そこで適切な治療を行わず放置するとさらに症状は悪化、最終的に尿を作る事が出来なくなるなど人工透析によって血液をきれいにする必要が出てくるのです。

これを回避するためには厳格な血糖コントロールが必要になります。

■糖尿病性腎症は高血糖により血液をろ過する糸球体の機能が失われて起こる
■血糖コントロールが行われないと悪化の一途を辿り、最終的には人工透析に

  糖尿病性腎症の診断基準と治療法

糖尿病性腎症を診断するには尿蛋白の検査や血清アルブミンや血清クレアチニンの値などを用い総合的に判断します。

糖尿病性腎症の診断基準

微量のアルブミン尿や蛋白尿が確認される第2期までの段階で厳格な血糖コントロールを行う事で正常なアルブミン量に戻る場合もあり、糖尿病性腎症はいかに早く発見し治療に取り組むかが今後を大きく左右する事になります。

腎臓は人体に2つ備わり1つの腎臓に約100万個の糸球体が存在していますが、基本的に一度壊された糸球体は回復しないとされているため腎症は一度悪化してしまうと回復は見込めず治療は進行を食い止めるに留まります。

早期であれば血糖コントロールだけで済む糖尿病性腎症も悪化するに従って血圧も上がってくるため降圧治療が必要になると共に腎臓のろ過機能の負担を軽くするためたんぱく質を制限する食事療法が必要になってきます。

さらに悪化すると最終的には人工透析が必要になるため早期の発見・治療が非常に重要となる腎症ですが、初期段階で自覚症状はなく、第3期B~第4期になってやっとむくみや吐き気、倦怠感などの自覚症状が出始め、その時点で腎症はかなり進行しているので自覚症状に頼らない早め早めの検査が必要になってきます。

■第2期までの早期から治療を行えば回復の見込みはある
■基本的に糸球体は一度壊れると回復せず、治療は進行を止めるものになる
■腎症は自覚症状に乏しく、現れる頃はかなり進行しているため早めの検査を

  とにかくまずは糖尿病の治療・予防を

進行すると最終的には人工透析に至る糖尿病性腎症は予後もあまり良くなく、腎症から人工透析に至った方の5年生存率は60%程度に留まります。

また、糖尿病性腎症は3大合併症の中でもっとも遅く発症・発覚する事が多いため、腎症が判明した頃には他の3大合併症である神経障害や網膜症はもちろん心疾患などの血管障害も併発している可能性が高くなり、生活の質(QOL)は著しく低くなります。

これを避けるためには腎症の発症を阻止するのではなく糖尿病自体の発症を予防する必要があり、すでに糖尿病を患っているのであれば一刻も早く治療を開始して下さい。

糖尿病を患っており病院に通っていても、中には「血糖値を下げる薬を飲んでるから食べても大丈夫」「インスリン打ってるから大丈夫」と肥満すら治らない・治さない方がいらっしゃいますが、こういった方は5年後10年後には悲惨な事になっている可能性が高くなります。

糖尿病治療の基本は食事療法運動療法を用い血糖値をコントロールする事で、薬物療法を行っている時点でかなり進行している状態です。

ご自分の将来はもちろん、ご家族に心配や苦労をかけないためにも、早期発見早期治療を心がけて下さい。


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